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「6月21日の朝までは話せていたのが、夜には痛がって、22日の朝には話せなくなってしまったそうです。それまでずっと麻央さんのお母さんと姉の麻耶さん(37)が看病していましたが、お医者さんを呼んで痛み止めを入れてもらうことにしました。少し落ち着いて眠ったのか、夕方に意識がなくなって。子どもたち2人もずっと横にいて、励まし続けていたそうです」(医療関係者)

 

「愛している」――。6月22日夜、市川海老蔵(39)にそう言い残して小林麻央さん(享年34)が亡くなった。

 

「子どもたちはずっと麻央さんのそばを離れようとしませんでした。特に麗禾ちゃん(5)は亡くなってからも一緒に寝ると言い張って、横に布団を敷いてもらって一緒に寝ていました」(前出・知人)

 

翌23日の朝、勸玄くん(4)はいつものように、麻央さんの足をさすっていたという。父はそんな子供たちの姿を見て涙した。――だが、それから数時間後の昼、歌舞伎役者・市川海老蔵は舞台上にいた。

 

《こういう時だからこそ、より厳しく、より深く己に喝を 私が役者として良くなる事を誰よりもまおがよろこぶから、私はやる》(6月22日の海老蔵のブログより)

 

「満員御礼を申し上げます」

 

東京・シアターコクーンでの主催舞台『ABKAI』は、この日も海老蔵のアナウンスで幕が開いた。

 

「絶景かな、絶景かな」

 

石川五右衛門に扮した海老蔵は名文句を発しながら、華々しく登場する。いつもと変わらない舞台に見えた。だが、観客の多くは、報道で麻央さんが亡くなったことを知っていた。この日はコミカルなシーンでも観客たちの笑い声は遠慮がちだ。

 

すると海老蔵が「(客が)静かだなぁ、今日は」と笑みを浮かべて言う。それにつられて観客も笑い始めた。舞台がクライマックスを迎えるころ、観客はみな大声で笑っていた。

 

「絶景かな、絶景かーなー」

 

冒頭と同じセリフを海老蔵は息が続く限り伸ばしていう。海老蔵の高笑いで幕が下りるなか、両目には涙が溜まっていた。終幕後、会見を開き海老蔵は麻央さんの逝去を伝えた。

 

《まおの思い 元気になったらこうありたい! という気持ちを私も引き継ぎ。生きます。私では力不足ですが、私はまおの生きたかった 行いたかった事をしていきます。まおと私は共に生きます。私の中にいつもある》

 

6月24日、海老蔵は子供たちと相撲をとる写真とともにブログにそう綴っている。「まおがよろこぶから」。市川海老蔵はこれからも舞台に立ち続ける。

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