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関西テレビ制作のトークバラエティ『グータンヌーボ2』が、1月4日に新春スペシャルを放送。滝沢カレン(27)に代わる新MCとして満島真之介(30)が初登場した。男性タレントがMC陣に加わるのは初。今後は長谷川京子(41)、田中みな実(33)、西野七瀬(25)らと順番で、毎回2名のゲストとトークを繰り広げる。

 

『グータンヌーボ2』は一見すると“ただのゆるいトーク番組”に思えるが、熱い視聴者に支えられている。それを象徴するように、Amazon Prime Videoのレビュー件数は161件にのぼる。『M-1グランプリ』104件、『相席食堂』30件と比べると、いかに熱心なファンに支えられているかがわかる。なぜ、ここまで熱心なファンが存在するのだろうか。

 

■誰も仕切らないトークだからこそタレントが本音をこぼす

 

番組序盤で繰り広げられるトークは、一般的な「ガールズトーク」像と大差ない。第一印象の褒め合いや、「わかる~」という表面的な共感で展開する会話。しかし徐々に視聴者がハッと共感できる話や、笑ってしまうほどの専門的すぎるこだわりなどが繰り出され、「台本がない」感じが魅力的に思えてくる。そんなゆるく自由な雰囲気だからこそ、ゲストのタレントも本音のトークをする。たとえば第46回ではソニン(36)が、19歳のときに出したCD「カレーライスの女」のセクシーなジャケットについて、MCらとこんな風に語った。

 

田中みな実:ああいうのって自分の意志は全く反映されないんですか?
ソニン:何もわからず。私の場合は、権限はなかったですね(笑)。
田中みな実:やらされたわけじゃないと思いますけど、演出として疑問は思わなかったんですか?
ソニン:若いし芸能界のこと分かってなかった。言われたことを一生懸命やることがすべてだと思っていた。

 

「司会者とゲスト」「上手と下手」という序列がないからこそ、危ういタレントの本音がこぼれるのだ。

 

■理想のコミュニケーションが学べる実用番組としての一面も

 

『グータンヌーボ2』は、ファッションやライフスタイルを勉強するように「憧れのコミュニケーション」を学べる番組と言ってもいい。それも出演者たち三者三様の思惑と、関係性が構築される様子を出演者と同じ目線で眺められる実学性が魅力だ。

 

例えば出演者は、順に一人ずつスタジオに入る。最初に入った人が二番目の人を迎える際の「誰も来ないかと思ったぁ~」なんてボケは、視聴者が明日の飲み会でそのまま使えたりできるのではないだろうか。

 

このように『グータンヌーボ2』は「本音のトーク」、「魅力的なMC」によって視聴者を惹きつけて離さない。そしてそこに「理想のコミュニケーション」があることで、視聴者に憧れられる番組としての側面も持っている。そうした「純粋な面白さ」と「実学性」がトークバラエティ番組として独特の位置を築き、多くの視聴者を惹きつけているのである。

 

■キャスティング・構成が絶妙!出演者全員のファンでなくても楽しめる

 

またMCとゲストのトークは、「芸能界」の裏側を見せてもくれる。たとえば第44回では、『あなたの番です』女優の三人(西野七瀬、奈緒・24、金澤美穂・25)が「朝ドラオーディションには筆記試験がある」という裏側を語っている。

 

テンポのいい編集とツッコミ調なテロップは、出演者たちのファンでない視聴者をも確実に楽しませてくれる。第15回で夕方の情報番組で活躍するホラン千秋(31)が畠山愛理(25)に恋愛観にズバズバと斬り込んだ際、テロップがホラン千秋の表情に「キャスター顔!」とわかりやすくツッコミを入れてくれる。そのため知らないゲストが登場する回でも、毎週安心して視聴できるのだ。

 

■スタジオトークで垣間見えるMC陣の魅力

 

番組後半、MCたちが織りなすスタジオトークは毎回新鮮で視聴者を飽きさせない。昨年1年にわたりMCを務めていた滝沢カレンは、他番組のような「ツッコミ待ちの天然キャラ」ではない姿を見せていた。たとえば第41回のスタジオトークでは、

 

滝沢カレン:顔はなにでエロいって決めるんですか?
田中みな実:やっぱ目じゃない?
西野七瀬:(顔がエロいって)私も思ったことないかも。
長谷川京子:じゃあ二人が思う顔がエロい有名人は?
滝沢カレン:志村けんさん。
一同:(笑)

 

のように、「オチをつくるための積極的なボケ役割」としての新たな一面がこの番組では見られる。

 

以上のように、滝沢カレンの「積極的なボケ」キャラは『グータンヌーボ2』ならではの姿だった。今回発表された新MCにも、視聴者がまだ見たことない一面を披露して欲しい。本音が飛び出しやすく自由にふざけられる『グータンヌーボ2』は、タレントの新たな挑戦の場に最適であることは間違いない。

 

【PROFILE】
アララ
東京の大学生3人によって運営しているエンタメnote。毎週末、テレビ、ドラマ、お笑い、映画、音楽にまつわるエッセイ、コラムを掲載している。1月には雑紙刊行予定。Twitter:@alalanote

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