叩きツッコミ 錦鯉はOKでカミナリはNG?伝説の講師語る「痛くても笑える」境界線
画像を見る 叩きツッコミが印象的なカミナリ

 

■「笑いしか起きないような技術を身につけてほしい」

 

本多氏は「上沼さんはカミナリの漫才を観て『せっかく面白いネタなのに、頭を思いっきり叩くツッコミはお客さんが恐怖感を覚えるのではないか。笑いが消えてしまいかねない』と指摘されたのでしょう。そういう意味では、この当時のカミナリの叩きツッコミは厳しかったのかもしれません」という。そのいっぽう、上方漫才の巨匠であるオール阪神・巨人の漫才を例に挙げた。

 

「巨人さんが阪神さんの頭と肩を前後から思いっきり叩くツッコミがあるんです。すると、劇場中に大きな『バーン!』という音が響き渡ります。これも『痛そう』とひいてしまいそうですが、実際はそういう反応になりません。それどころか爆笑が起きます」

 

それは何故か。実は阪神巨人のこのツッコミには、様々な工夫が凝らされているというのだ。

 

「『バーン!』という大きな音は、巨人さんが阪神さんのスーツの肩パッドを叩いた音なんです。頭を叩くのも、実際には阪神さんの頭をスレスレに擦り上げているだけ。手の動きが速いものの、実際には強く叩いていないと客席からでも何となくわかります。

 

そして、叩かれた直後の阪神さんのリアクションがユーモアたっぷりなんですね。それこそカミナリにでも打たれたみたいに体をピクピク。そして、酔っ払いのようにフラフラ。お客も笑うしかありません。

 

頭を強く叩いていると見せかけて、演出されたものなんです。それで、しっかり爆笑をとっています。これが本当の“芸”だと思います。」

 

そして本多氏は、こう続ける。

 

「錦鯉の長谷川君は頭を強く叩かれているように見えます。でも本人の表情を見ると、目をキョロキョロさせて、ちょっと嬉しそうにしています。おそらくですが、叩かれている姿を笑ってもらえることが“おいしい”と思っているのでしょう。

 

観ている側に嫌な思いをさせず、叩かれた方がニコニコしているのならひとまずセーフかもしれませんね。頭を叩いたツッコミには、笑いしか起きないような技術を身につけてほしいです」

 

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出典元:

WEB女性自身

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