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「今の善君の役は本当に極悪で冷酷。テレビ見ながら『善、ひどいわ~!』って言ってます」

 

そう語るのは中華料理店「珉亭」先代オーナーの長女・二瓶真弓さん。彼女が“善君”と呼ぶのは『鎌倉殿の13人』(NHK)で“死神”善児を演じる梶原善(56)のこと。

 

「善児は、頼朝と八重の間に生まれた千鶴丸、北条宗時、以前の主である伊東祐親らの命を無表情で奪う暗殺者として、視聴者に恐れられています」(テレビ誌記者)

 

実は梶原は東京・下北沢の同店で約40年前にアルバイトをしていた。そんな彼が昨秋に突然、宇都宮店まで訪ねてきたという。

 

「会うのは約30年ぶりでした。1人で食べに来てくれたんです。宇都宮近くで撮影があって、仕事帰りに寄ってくれたと。善君いわく、仕事場で豊君に会ったときに『店に行ってるのか?』と聞かれ、『全然顔出してない』と言ったら『ダメだよ~』って怒られたっていうんです(笑)」

 

“恐ろしい善児”を叱った豊君とは松重豊(59)。当時、「珉亭」には松重、梶原、甲本ヒロト(59)ら夢を追う若者たちが働いていた。

 

「甲本さんを頼って岡山から上京した梶原さんは、この店で出会った松重さんと、三谷幸喜さんの『東京サンシャインボーイズ』旗揚げ公演に参加するのです。松重さんはその後すぐ、蜷川幸雄さん主宰の劇団に移りますが、梶原さんは“三谷組”の不動メンバーとなります」(劇団関係者)

 

松重は『週刊朝日』’21年3月12日号でこう振り返っている。

 

《僕は当時、三谷幸喜には才能がないと思ったんです。(略)あのころ僕が「才能がない」と思ったのは大間違いですけど、今も仲良くしてますよ。何者でもないときに同じ釜のメシを食ってた感覚があるので、全然違うところでやってますけど、常に僕の励みになっています》

 

松重、梶原、三谷が出会う契機となった「珉亭」時代について、松重はテレビでこう語っている。

 

「行列のできるラーメン店の走りみたいな店だったんで。とにかく忙しかった。声のでかいやつは役者かバンドマンだろうって入ってきて、たまり場みたいになって……」

 

今も家族団欒は「珉亭」で培った餃子を手作りするときだと公言する松重。前出の二瓶さんは言う。

 

「豊君は本当に義理堅い。以前一緒にお店で働いてた人が亡くなって3年ほど前に偲ぶ会を開いたときも来てくれました」

 

肉汁ほとばしるような松重の「珉亭」愛ゆえ、退職後食べに行かない梶原に“孤独グルメ”はダメだと力説したのだろう。梶原は同店では最長の3年半勤めたという。

 

「みんな(辞めるまで)1~2年だったかな。だから本当に短いけど濃密な感じ。でも善君がいちばん長かった。本人に確認したらそうだって言うから(笑)」(二瓶さん)

 

これからも「珉亭」から「令和の名優」が生まれるかもーー。

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