6月27日、自殺ほう助の疑いで逮捕された、歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者(47)。猿之助容疑者は、5月18日に東京目黒区の自宅で、父親の市川段四郎さん(76)と母の喜熨斗延子さん(75)とともに倒れているのが見つかり、両親は死亡が確認された。猿之助容疑者は、母の延子さんに対して睡眠薬を服用させ、自殺を手助けした疑いがもたれている。
各メディアによると、猿之助容疑者は逮捕前の任意の事情聴取で「週刊誌報道があり、家族会議でみんなでさよならすることにした」「なるべく苦しまずに死ぬ方法として、睡眠薬を飲んで眠ったあとにビニール袋を被せることにした」などと話をしていたという。事件当日には、「女性セブン」で猿之助に関するパワハラとセクハラ疑惑が報じられていた。
実の母にビニール袋をかぶせ、命を絶つ手助けをする。息子としての猿之助容疑者の胸中はどのようなものだったのかーー。母の延子さんはとても愛情深い人だったという。
「一人息子である猿之助さんを”カメちゃん”と呼んで溺愛していました。梨園の妻としてもよく気をまわし、評判はとてもよかったです。歌舞伎に対し誇りを持っていたのでしょう」(歌舞伎関係者)
同時に、とても厳しい人だったという。猿之助は過去のインタビューで、母の鋭い指導をこう振り返っている。
《踊りで体の使い方を間違えるとそれは恐ろしいことになる。足の割り方が悪いとバーン!》《バーン!は日によって物差しでありセンスであり革のベルトになる》《舞台の批評が一番怖い。「何だ、アレは!」。この一言で終わり。居ないときでもどっかで見られているような気がする。母は永遠に怖い》(’05年7月20日「スポーツニッポン」)
「延子さんは日本舞踊の坂東流の名取だったこともあり、特に芸には厳しかったようです。きちんと踊らないと『ごまかすな!』と叱声がとんでいたそう。それでも、猿之助さんにとって延子さんが自慢の母であったことは間違いないでしょう。それだけに、どうしてこのようなことになってしまったのか……。ほかの手段はなかったのかと思ってしまいます」(前出・歌舞伎関係者)
当初、「前日に死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と語っていた猿之助容疑者。真相解明を待つほかないが、厳しかった母はもう帰ってこないーー。