主人公ピッパ・リーと同じく今年50歳になる山田邦子さんに、映画の感想を語っていただきましたーーー。

●50歳は新しいステップを選べる年齢

image「いろいろなパターンの人たちを、それぞれいい俳優陣が演じてるので、すごく面白かったですね。皆がこれから高齢化に向かう中で、これは人生のひとつの提案だなあって。
若いうちに年上の金持ちの男性と結婚して、年齢を経て大人になってから若い男性と一緒になる、これは女性として最高のパターンですよね!(笑)」

●登場人物も個性的。

「色々な人が、色々な立場で出てきます、ニートの青年、レズビアンの作家、ドラッグ中毒の主婦、不良の女の子・・・。
色々な人がそれぞれ自由に生きているけど、その中で主人公のピッパだけが一番普通の主婦だった。でも彼女は、母親が精神不安定なことから、ちょと不良になった過去もある。だから普通の女性の幸福をつかみたくて、結婚し母親になって主婦として穏やかな家庭を築いたのでしょうね」

●観た後で友人と語りたくなる

「主人と年上の友人夫婦と4人で観たのですが、『主人公はもう大人、自由に自分のやりたいことやっちゃうべき!』なんて、色々な意見が出て楽しかった。観たあとで友達と語りあいたくなる映画ですね。私がまさに今年50歳なので、そういった意味でも、より楽しめました。50歳というのは、人生を色々考える年齢ですから。
でも私なんて、まだ新米の50歳だから、15歳年下のニートの青年と一緒になるのはかなり冒険だなあと思ったけど・・・。これは映画だから、なんと相手はキアヌ・リーブス!しかも15歳年下! こんなニートはいない。でもいたら絶対に一緒に行くよねえ(笑)」

●50歳は新しいステップを選べる年齢

「まだ40歳だったら新しい人生を踏み出す決心が付きにくいでしょうし、15歳年下の男性というとまだ25歳ですから、若いですよね。かといってもし60歳だったら、ちょっと遅いかもしれない。50歳というのが丁度いい。まだ夢も見たいし、体も動く。相手も15歳下なら35歳。この年齢設定もいいですよね。
確かにピッパのように安定した生活は誰しも憧れるし、そのまま順風万帆に終わってもそれはそれで良いんだけれど。ピッパは、年下の青年をちょっと意識し始めてから、綺麗になっていくでしょう? 表情もどんどん素敵になって、イキイキしてくる」

50歳はもうひと花咲かせる時期!?

image「私は子供がいませんが、学生時代の友達は、もう子育てが終わり、子供が就職したり、早い人はもう孫ができた人もいます。この映画を観て、皆どうしているかなあと思いました。いよいよ年賀状も子供の写真ではなくなり、自分らしい年賀状になってきてね。ああ皆50歳になってきたんだなと。自分のことを振り返って、“もうひと花咲せられるだろうか、それともこのまま終わるのだろうか”と考える時期ですよね。
以前は、子育てが忙しくて会えなかった時期があって、同窓会で会うくらい。女同士で、ちょっと旅行でもしようかといっても、主婦の友人たちは、家を外せないから出かけられないことが多かった。でも最近はまたちょくちょく会えるようになりました。自分で時間自由にを使えるようになったのでしょうね。
ただ若く結婚してずっと家にいた人が、急に社会復帰するとブランクがありますよね。時間を取り戻そうとして、不良になっちゃう主婦もいるかもしれない(笑)。
でも50歳といえば、自分で責任をとれる年齢です。後で後悔するくらいなら、ピッパのように、何かやりたいことがあったらい、やったほうがいいんじゃないかな。私はそう思います。あんまりみっともないことをしない限りはね」

50歳になったら自分が選び取った人生

「ピッパの少女時代の頃のことがオーバーラップして出てきますよね。家庭環境から、すごく自由奔放になった時期もあった。だから逆に普通の生活に憧れたのだと思う。
確かに子供の頃は、なにかあると家や親のせいにしがちだけど、どんな人でもなにかしら不満はありますよね。もうちょっと家が金持ちだったら、両親が仲良かったら、もう少し美人だったら・・・。そんなこと言ったらキリない。そんなことをグチャグチャ思うのはもう50歳で終わり。50歳以上になってもそんなことを言ってたら、バチがあたる。それは自分で選んだ人生ですから。
だって、きんさんぎんさんのことを考えたら、あと50年生きるかもしれない。そう考えればなおさら今が大事。やりたいことがあるなら、思い立ったが吉日です」

●やはり女性は巻き髪がポイント

「ともすればドロドロになりそうなテーマですが、出てくる役者さんが素敵だし、とても夢の持てる映画ですね。
インテリアや車・・・そうしたアッパーな暮らしぶりも、ちょっと憧れます。奥様らしいパステル調の上品なファッションも素敵だったし、なんと言ってもポイントは巻き髪。
子育てに追われるとどうしても髪を短くしまいがちですが、やはり女性は巻き髪。で、キアヌ・リーブス登場となる!(笑)。私もこれからは巻き髪にします!」

やまだ・くにこ★

1960 年6月13日、東京生まれ。88―95年、8年連続でNHK『好きなタレント調査』1位に輝く。今年はデビュー30周年を迎える。『スター混声合唱団』団長として、がん早期発見への啓蒙活動にも取り組んでいる。http://sutakon.jp/

『50歳の恋愛白書』

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