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どの質問にも、味のあるボケ&キレのある突っ込みで応戦してくるあたりは、さすが人気お笑いコンビ。テレビで見ていたコントが目の前で展開され、笑いの絶えない、ぜいたくな取材に! これまでにも、俳優業に挑戦してきたインパルスの2人が初主演を務めた映画は、このたび世界遺産に登録された富士山の「樹海」がテーマ。実話を基にしたヒューマンドラマだ。

いんぱるす★

いたくら・としゆき(右)78年1月30日生まれ、埼玉県出身。つつみした・あつし(左)77年9月9日生まれ、神奈川県出身。98年にイン
パルスを結成。舞台やバラエティ番組で活躍。04年の映画『ほんとうにあった怖い話怨霊』でともに俳優デビューを果たす。単独での俳優活動も行っている。

映画『樹海のふたり』

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監督・脚本/山口秀矢 7月6日(土)~、ユーロスペース他にて全国順次ロードショー
(C)2013『樹海のふたり』製作委員会
(オフィシャルサイト)http://www.jukai-futari.com/

 

――お2人とも俳優としても活動されていますが、今回は初主演ですよね。オファーがあったときの感想をお聞かせください。
板倉「これまで出演した作品は、少し“お笑い”が入っているようなものが多かったので、できるかな? って思いました。この作品にはそういった部分がないので。あとは『朝、早いのかな』とか。早起きが苦手で……
堤下「あと『待ちが長いのかな』とか。そもそも、なんで自分たちなんだろ? というのがありましたね。映画にもそんなに出ていないですし」

――フリーディレクターの役を演じたお2人ですが、それぞれ竹内(板倉)と阿部(堤下)を、どう分析されて演じましたか? 板倉さんの、真剣な表情の演技がすごく印象に残りました。
image板倉「何もしていないんですけどね。普通のまま演じてOKと言われていたので。そんなに自分と遠いイメージの人でもなかったから。実際、ガリガリの人らしいし、年も近いし」

――監督からのアドバイスは何かありましたか?
板倉「半分くらい撮ったところで、監督がすごく演技をほめてくれたことがあって。『今までの全部、撮り直したい』って言われたときは、ちょっと傷つきました」

――堤下さんが演じたフリーディレクターの阿部は、見ていて、堤下さんのキャラになんとなく近いかなと思ったんですけど。
堤下「そうですね」
板倉「ロン毛をちゃんと切ってね」
堤下「いや、もともとロン毛じゃないんですけどね」
板倉「パーマもかけてね」
堤下「これは天然パーマ。ゼロ歳のころから。うちの子もそうですし」
板倉「ヒゲもないのに、植えてね」
堤下「いや、半日で生えてくるから! 僕も『自然体でいい』って言われたので、自然体でやらさせていただきました。ほとんど“素”です」

――撮影で、実際に樹海へ初めて行ったそうですが、そのときの感想をお聞かせください。
板倉「看板が衝撃的でした。『命は尊いものです』みたいなことが書いてあって、『本当にこういうのがあるんだな』って。あと、歩きづらい。ものものしい感じはしなかったですね、むしろすがすがしいような」
堤下「たしかに森の中は看板があったりして、不気味に感じることもありました。でも僕たちが入ったのは、夜ではなく昼だったので。怖さはとくに感じませんでした」

――場所柄、撮影中に“恐怖体験”をしたり……なんていうことはありました?
image板倉「クルマを運転していたら、フロントガラスに人影が映っていたんです。男性で、40代後半で、けっこう小太りで……。あれは怖かったですね」
堤下「それ、後ろに乗ってたオレじゃねーかよ! しかも40代後半じゃねーよ、30代半ばだよ、まだ!
板倉「本当に怖かったです
堤下「だから、それはオレだよ!

――樹海は1200年前の富士山の噴火によって溶岩で覆われて、時間を掛けて復活したというところが、映画を見ての発見でした。自殺の名所が、じつは生命力が溢れるところなんだなと。お2人も撮影を通して、樹海についての発見など、ありましたか?
板倉「溶岩で覆われてしまったから、木は深く根が張れないんです。だから、上へ伸びる。それで、樹海にしかいない生物が生まれるという環境ができるんでしょうね
堤下「山梨県と静岡県の境目が、意外とややこしいということを知りました。あと、山梨側から見る富士山と、静岡側から見る富士山って違うんですよ
板倉「あと、スタッフに『もう、全員そろいましたから』って言って、こいつを樹海に置いていこうと思ったのに、気づかれてしまって。
堤下「それをやったら、この映画、お蔵入りになるよ(笑)。そしたら、オレ、今でもここにいないことになるし、この取材もナシになってたよ」

――お2人が思うこの作品の魅力は、どういうところにあると思いますか?
堤下「テーマがないっていうところかと。あえて完結させていないところが、僕はすごくすてきだなと思ったし、そこが監督が見せたかったところなのかな
板倉「いや、テーマはあるんですよ
堤下「あるんですか?」
板倉「あるんです。みんな、悩んでいるんです。主人公の2人も、悩んで、取材をしながら自分の考え方がかたまっていく。そして、最終的に結論を出すという」

――人生は迷路で、奥へ入ってしまったらどこにいるかわからなくなる樹海のようということでしょうか。ところで、劇中での板倉さんのお父さんぶりもよかったです。
板倉「子供たちがかわいくて。このまま養子にもらえないかなんて思いました。まだ独身なので。隠し子は5人いるんですけど」
堤下「うそつけよ!」

――では最後に、作品のPRをお願いします。
image板倉「樹海がテーマなので、怖いイメージを持たれるかもしれませんけど、そうでもない作品です
堤下「世界遺産になった富士山を見るつもりで、来ていただきたいです
板倉「あと、樹海のコケを見てほしい。樹海のコケと、こいつの髪の毛が一致している様子を。この『モジャオくん』の」
堤下「『モジャオ』って。生まれたときからこんなんだよ
板倉「本当に、樹海でびっくりしましたから。『どれが堤下だよ?』って」
堤下「色が違うでしょ! 黒と緑で」

――でも、本当にお2人の、とくに板倉さんの演技に驚きました。
板倉「本当ですか? 普通にやっていただけなんですけど」
堤下「『とくに板倉さん』って、オレはなんでもないんだよ。さっきから板倉さんの演技がほめられてばっかりで、オレは何も言われてないし。さっさと写真を撮って終わらせよう。つまんねぇ取材だな! 『板倉さんの演技よかったです』しか言われてねーし!」

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