image

 

「私は自分の容姿に関して本当に適当なの。あまりにも何もしないから、周りから叱られて、たまにフェイシャルエステに行くくらい。それでも1年に1回とか」

 

そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第75回のゲスト・女優の三田佳子さん(75)。明るく朗らかな笑顔で「今日はよろしくねー!」と颯爽とスタジオ入りした三田さん。革ジャンにロングスカート、高めのヒールのブーティーという若々しいファッションもとってもお似合い。エイジレスな魅力たっぷりの三田さんと中山が語り合いました。

 

中山「プロフィールを拝見したのですが、三田さんは現在75歳。驚異的な若さですね!今日はあらためて三田さんの女優になったきっかけを伺いたいと思います」

 

三田「女優になるきっかけは、中学生のときに森繁久彌さんの娘役でラジオに出演したこと。もう60年以上も前の話だから、詳細は省くわね。そんなところまで話していたら、夜が明けちゃうから(笑)。ラジオ全盛の時代からテレビが出てきて、まずNHKが試験放送を始めて、そこで女学生AやBなどをやっていました。『こんにちは』と言うだけでも緊張して、言葉が出てこなかったんですよ。『あ、自分の番なんだ、しゃべらなきゃ』となると、台詞が出てこなくて」

 

中山「三田さんにもそういう時代があったんですねー!」

 

三田「そのうちテレビも民放ができて、そういう道を進むことになった。森繁先生にはとてもお世話になって、『佳子、今度は正月のこういう番組に出なさい』って、次の役を用意してくださって。そんななか、コマーシャルガールをやることになったんです」

 

中山「当時のコマーシャルは生放送ですよね。いわゆる“生コマ”というものですね?」

 

三田「そうそう。私は相変わらずで、『トチリの佳子ちゃん』って呼ばれていたの。今でも忘れないのは、旭化成の新製品『カシミロン』のコマーシャル。30秒なり90秒なり、製品の説明をしないといけないのに、全然台詞が出てこない。スタジオでは、ターリーという大きなランプがついたらカメラが回って始まるんだけど、私は『電波に乗って、全国に私の姿が流れていくんだ』という事象のほうに興味を持ってしまって、真っ白になっちゃって……」

 

中山「それはダメですね(笑)」

 

三田「逆にそれがかわいかったのよー(笑)。『あ、カシミアタッチのカシミロン。うふふ、あ、あの……』ってニッコリ笑って、バタバタして90秒経過。コマーシャルにならないから、やめさせるしかないということになったんだけど、視聴者が『明日はどこまで言えるか楽しみ』と逆に人気が出て、全国から『あのコをやめさせないで』という投書が殺到したんですって」

 

中山「それで、続けられたんですね」

 

三田「そのあと『週刊サンケイ』でのコマーシャルガールの特集企画があって、その表紙を飾ったことでスカウトが来て、高校卒業後に東映に入社したんです」