「病人でも高座の出来は天下一品」桂歌丸が見せた噺家魂

今年も多くの偉大なスターが、たくさんの思い出をわれわれに残してこの世を去った。そんな故人と親交が深かった方々から届いた、愛あふれるラストメッセージを紹介。題して、「大好きなあなたへ 最後のラブレター」――在りし日の姿に、心からの哀悼の意を表して。

 

■桂 歌丸さん(享年81・落語家・7月2日没)へ。三遊亭小遊三(71・落語家)

 

晩年は出番直前まで酸素吸入器を使って高座に上がっていました。そんな状態なのに、これがまた、高座の出来栄えは天下一品。これが病人か、じつは仮病だったんじゃないかと思えるくらいきっちりした芸をやっていましたよね。

 

でも、高座から降りてくると、仮病じゃねえな、これは本物の病気だなっていうぐらいにがくりとして。晩年はその繰り返しでした。休んでくださいって言いたかったんだけど、師匠がやるってんですから。そして最後まで命がけでやり通しました。噺家として人生をまっとうしたいという強い意志を感じました。

 

お酒は一滴も飲まれませんが、たばこはお好きでしたね。「やめた。禁煙」なんて言うものの、それが隠れて吸っていたりして。中学生じゃないんだから、隠れて吸わなくてもいいと思うんだけど。

 

『笑点』の売れっ子でもあり、噺家として非の打ちどころがない、まさに噺家のかがみです。憧れの人ではありますけど、僕は後を追いませんよ。無理、無理です(笑)。無精で怠け者が多いなか、師匠には、噺家にあるまじき精神力を見せていただきました。

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