10月、三重県の伊勢神宮では神嘗祭が催される。その年に収穫された米を最初に神々に捧げる、一年で最も大切な祭り。神宮で祭主を務める黒田清子さんも、一連の祭事に臨むため伊勢に滞在する。神宮に詳しい皇學館大学非常勤講師で文筆家の千種清美さんはこう話す。
「神嘗祭は、神宮の外宮と内宮で、3日にわたり、昼と深夜に複数回のご奉仕があります。神宮祭主である清子さんにとっては、大変なお務めといえます。
清子さんは基本的に年5回、お祭りのご奉仕のために東京から伊勢にお越しになります。そのほか、神宮式年遷宮に関するお祭りや、天皇陛下がお参りになる臨時祭などでも、伊勢に来られています」
古来伊勢神宮の祭主は、天皇のご意思を神々に伝えるという役割を担ってきた。明治以降は皇族がつかさどることが多く、ここ数代は元内親王が務めている。
「清子さんは上皇さまの姉である池田厚子さんから祭主を継承する2017年より前から、補佐役として神宮のご奉仕に臨んできました。2005年に結婚した夫の慶樹さんも、皇室にとって大切な務めを果たす清子さんを献身的に支えてきたのです」(宮内庁関係者)
清子さんをサポートし続ける“糟糠の夫”である慶樹さんは、1997年から東京都庁に勤務。今年4月1日付で都市整備局の担当部長に昇進し、都の外郭団体に出向している。堅実な働きぶりで、周囲からの信頼は厚い。
「慶樹さんは都市整備局での仕事のなかで、建設業界や地元住民などとのタフな折衝を行うチームにいたこともあります。どんなときでも物腰柔らかく仕事に取り組んでいたそうで、同僚や後輩にも慕われていたと聞きます。
黒田さんは天皇陛下の義弟にあたりますが、立場をにおわせるような言動はなく、皇室の係累というようなオーラを感じたこともありません。都幹部が居並ぶ会議に黒田さんが出たときには、あとから『あのとき慶樹さんがいたのか』と、意外そうな声が上がったこともあったそうです」(都庁関係者)
この評判ならば、黒田さんはさらなる出世も望めそうだがーー。
「定年後を見すえると、本庁が就職先をあっせんする“天下り”の恩恵を受けるには、局長級の役職に昇進しなければなりません。ただ、都議会での答弁や記者会見など、“矢面に立つ”機会が多いポスト。黒田さんは“皇室に迷惑をかけないように”と、これまでもチャンスはあったはずですが、一貫して昇進には消極的だったようです」(前出・都庁関係者)
義理の甥は、ニューヨークで企業買収や国家安全保障という分野にも進出している弁護士。“私は小室圭さんのようにはならない”という慶樹さんの生きざまには、元内親王と結ばれた運命を背負う覚悟がにじみ出ているかのようだ。