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(写真・神奈川新聞)

 

「富士山号」を名乗る列車が“乱発”気味だ。17日から新宿-御殿場間を結ぶ小田急、JR東海の特急「ふじさん」が登場する一方、同じ新宿からはJR東日本の河口湖行き快速「富士山」も運行中。訪日客の富士山人気にあやかった命名だが、さて不案内な旅行客は迷わないか。「どれに乗ればいいですか?」-。

 

「ふじさん」は小田急ロマンスカーの一つで、松田からJR東海の御殿場線に乗り入れる。現在は富士山麓の朝霧高原にちなみ「あさぎり」を名乗るが、小田急は「訪日客の増加を踏まえ、富士山への運行をより分かりやすく表現する」として、17日のダイヤ改正を機に名称を変更する。

 

一方でJR東日本は、同じ新宿を起点に「富士山」(土休日は「ホリデー快速富士山」)を運行中。中央線を走り、大月から富士急に乗り入れる。この富士急には「フジサン特急」「富士山ビュー特急」という別の列車や「富士山駅」(2011年に富士吉田駅から改称)もあり、富士山ずくめだ。

 

「まるで争奪戦。自分が外国人観光客の立場なら戸惑うだろうなあ…」。大磯町に住む鉄道ライター、杉崎行恭さんは苦笑する。1959年から続く「あさぎり」の名を変えることにも疑問を抱く。「沿線活性化の戦略は分かるが、もう少し名前への敬意と節度があっていいと思う」

 

JR東海は「(同じ新宿発でも)『ふじさん』はJRでなく小田急の駅から出るので心配はない」。追随された形のJR東日本は「当社管内で『ふじさん』の指定券は発売しないため、乗り間違えは想定していない」と静観している。