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2016年2月の緊急集会で外来機の騒音増大に抗議する参加者=2月26日午後、北谷町砂辺の嘉手納基地第1ゲート前
(写真・琉球新報社)

米軍嘉手納飛行場の周辺住民約2万2千人が日米両政府を相手に、米軍機夜間飛行差し止めなどを求めた第3次嘉手納爆音訴訟の一審が25日、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)で結審する。同訴訟の原告は沖縄市、うるま市、北谷町、嘉手納町、読谷村にわたる。うち嘉手納町の原告は4,916人で、町人口の3人に1人が訴訟に参加している。

 

裁判所は、米軍機の飛行差し止めについて、第1次と第2次訴訟を通じて、米軍の運用に日本の法支配は及ばないとする「第三者行為論」で訴えを退けてきた。第3次訴訟で原告は騒音による聴力被害や高血圧、睡眠妨害から生じる入眠困難など、より具体的な健康被害を原告本人の尋問や学者の尋問で訴えてきた。これらの訴えに、裁判所がどのような判断をするかが焦点になる。

 

嘉手納爆音訴訟は1982年2月に第1次訴訟を907人、2000年3月に第2次訴訟を5,544人が提訴し、1次訴訟から34年となる。第2次訴訟控訴審判決では、読谷村座喜味以北を除くうるささ指数(W値)75以上の区域に住む原告に損害賠償責任が認められた。

 

一方、騒音と周辺住民の健康被害との間に法的因果関係は認められず、第三者行為論に基づき、米軍機の飛行差し止め請求は棄却された。

 

第3次訴訟では(1)午後7時から翌日午前7時までの航空機離着陸の禁止(2)午後7時から翌日午前7時まで40デシベルを超える一切の騒音(エンジン調整音など)を到達させないこと(3)午前7時から午後7時まで65デシベルを超える一切の騒音を到達させないこと(4)騒音で被った精神的苦痛などに対する過去と将来分の損害賠償を請求している。

 

全国の基地周辺住民の訴訟で裁判所は、15年7月の厚木騒音訴訟控訴審判決と同年10月の岩国騒音訴訟一審判決でともに、「第三者行為論」で米軍機の飛行差し止めを退けている。

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