羽生結弦が語っていたネイサンへの固執「幻想と闘っていた」
今年の世界選手権ではネイサンに敗れた羽生(写真:アフロ)

11月22日から行われたグランプリシリーズ・NHK杯で、2位に50点以上の差をつけて優勝した羽生結弦(24)。10月下旬のカナダ杯では今季世界最高得点を記録し、12月に行われるグランプリファイナルへの出場券も手にするなど絶好調の羽生。9月には初めて22年に行われる北京五輪への出場も示唆するなど前向きな“絶対王者”だが、その裏で試練に直面していた――。

 

この秋、出演するお菓子メーカーのCM撮影後に行われたインタビューで、羽生は今の率直な心境を明かしている。フィギュアスケートを始めた少年時代を「自信はありました。試合に出れば絶対に勝てると思ってました」と振り返り、こう続けた。

 

「原点回帰というか、自分の気持ちの中にずっと幼いころの自分がいて。自分が昔、一生懸命やっていたのを覚えているので、その子に対して、自分も真摯に向き合わないとな、と思いながら練習するようにしています」

 

大人への成長を遂げるいっぽうで、原点との対峙を迫られた羽生。そこには“宿敵”への焦りがあるという。

 

「羽生選手は3月の世界選手権に『自分としては100パーセント』と準備万端の状態で挑むも、20点以上の大差でネイサン・チェン選手に惨敗。完璧な演技をしたうえで後輩に負けたわけですから、かなりショックを受けたようです。羽生選手は『スケートは自分との勝負』と常々語ってきました。しかし、カナダ杯では『幻想みたいなものと闘っていた』と思わずこぼすほど、一時期はネイサン選手への勝利に固執していたようです」(フィギュアライター)

 

スランプの羽生を奮起させたのが、“原点の記憶”だった。

 

「ネイサン選手との勝ち負けに心をとらわれていることに気づいた羽生選手は、余計なことを考えずにフィギュアと向き合うことが今の自分にとっていちばん必要だと思い直したそうです。また今シーズンは昨年と同じプログラムで挑むことを決断。フリーの『Origin』は、幼少期に憧れたエフゲニー・プルシェンコさん(37)の曲目をアレンジしたもの。同じプログラムを選ぶ以上、より完璧な演技が求められることになります。それでも原点といえる曲目を再び選んだのも『初めて日本一になった15年前のような純粋な気持ちで向き合いたい』という気持ちの表れなのでしょう」(フィギュア協会関係者)

 

過去を見つめ直したことで、大いなる復活を果たした羽生。フィギュアスケート評論家の佐野稔さんもこう、太鼓判を押す。

 

「前回ネイサンに負けたのはケガがまだ完治していなかったことが大きいです。しかし、今シーズンはケガもなく、演技を見ていても完成度は昨年より高くなっています。羽生選手はネイサンに勝つつもりだと思いますよ。また、北京五輪についても最近話題に出すようになりましたが、出場する可能性は十分あるでしょう。3連覇ということになれば、約100年ぶりの快挙になるので、期待したいです」

 

少年時代の純粋なフィギュア愛を胸に、大人になった羽生。北京で3度目の金メダルを日本に持ち帰ってほしい!

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