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先日、息子が14歳になりました。離婚騒動の始まりが9歳の頃でしたから、光陰矢のごとしです。「誕生日に親友たちを誘ってディズニーランド・パリに行きたい」というので、チケットを購入し、私が運転し子どもたちを引率することになりました。子どもたちが遊んでいる間、私は冬空の下、ベンチに腰掛けてずっと彼らが戻ってくるのを待つことになりました。朝の10時から夕方の19時まででしたから、9時間もの長丁場。一人で食事をしたり、周辺を散歩したり、脇にあるショッピングモールなどで買い物をしたりして時間を潰しました。こんな風に子どもが戻ってくるのを待つのが親の仕事なのです。そこには派手な興奮や喝采、スポットライトも何もありません。待つという静かな時間だけが流れています。でも、これはとっても大事な時間、愛おしい時間です。

 

暗くなった頃に子どもたちが興奮気味に戻ってきました。「どうだった?」と訊くと、彼らは「最高だったよ」と口を揃えました。一人一人を送り届け、自分たちの地区に帰ったらもう夜の9時半。近くのお惣菜屋さんで夕食を買って帰ることになります。息子は「生涯でいちばん楽しい時間だったよ。パパ、ありがとう。寒いのにずっと待っていてくれて」と言いました。嬉しい瞬間ですね。「誕生日、おめでとう」と私は言いました。

 

実はちょっと気になっていたことがあったのです。前の日、彼にとっては13歳最後の日。ワインを取りにキッチンに顔を出すと息子が食堂にいてぼんやりと携帯を覗き込んでいたのです。私に気が付くと「パパ、人生の目的って何?」と呟きました。私は驚きましたが、ここは即座に答えを返す必要があると思ったのです。なぜでしょう? 親の意地? 45年も長く生きた人間がこのくらいの質問に狼狽えてはいけないと咄嗟に思ったのでしょうか? しかし、この問いかけほどに人間の本質をつく難題はありません。私は珍しく慌ててしまいました。とにかく何か自分なりの目的を捻りださなければと必死で考え、「パパの場合は幸せになることだよ」と告げたのです。息子は返事をしませんでした。

 

そして、ディズニーランドの帰り、家のドアを開けようと鍵を探していると、息子が私の背中に向かってこうはっきりと告げたのです。「パパ、素晴らしい仲間たちと共に生きること、共に夢を追いかけることがぼくの人生の目標になったよ」、と。なんとも素晴らしい回答じゃないですか? 私は笑顔で息子の頭をゴシゴシと擦ってやりました。14歳、ここからまた父子の旅、第2弾が始まるのです。

 

さて今日は、その夜に息子と2人で作った「マグカップケーキ」を皆さんにご紹介します。5分でできて超簡単なうえに、お店で出てくるケーキより美味しいのですよ!

 

300mlのマグカップ1杯分の材料:チョコレート40g、バター30g、砂糖大さじ2、卵1個、小麦粉大さじ2、M&M’s(色つきのチョコレート)などのトッピング。

まず、マグカップに刻んだチョコレートとバターを入れ、電子レンジ600Wで40〜50秒加熱します。チョコレートとバターが溶けたら砂糖を加え、スプーンで混ぜてください。続けて卵を加えてよく混ぜ、最後に小麦粉を加えさらに混ぜていきます。生地ができたらお好みでM&M’sなどの飾りを混ぜ込んでみてください。すべての材料が入ったら、ふたたび電子レンジ600Wで1分40〜50秒加熱して完成です。ふわっと膨らんだケーキの上に、M&M’sを子どもの年齢の数だけトッピングしてみてください。このトッピングはカラフルでかわいいですよ。お子さんと一緒に作って楽しく美味しいマグケーキ、ぜひ、ご家族でお楽しみください。幸せになることが「人生の目的」だからです。

 

ボナペティ!

 

 

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