image

 

登山道沿いに高山植物が咲き誇る「新・花の百名山」オロフレ山(1230m)

「雨の北海道山歩き」第3弾は、田中澄江さんの「新・花の百名山」に選ばれているオロフレ山。山名の由来はアイヌ語で「ウオロ・フレ・ペッ」(水中の赤い川)から。登別温泉から30分ほどのオロフレ峠が登山口だ(道央道登別東インターから約40分)。この地点がすでに標高930mだから、標高差は300mほど。初心者やシニア、子供連れでもハイキング気分で楽しめる山である。緯度が高い北海道の山は、1000m級でも気象状況や植物分布は本州の2000m級に相当。そのため、オロフレ山は登山口の峠一帯から高山植物の宝庫となっている。

6月30日。雨の平日ということで、峠の駐車場には車は1台しかない。小雨の中を歩き始める。ダケカンバの林を通り抜けると、平坦で歩きやすいトレイルが続く。その道の端にピンクのヨツバシオガマ(高山植物)が歓迎してくれているかのように、見事に連なって咲き誇っている。その後も高山植物が次々と姿をみせてくれた。ウコンウツギ、イブキゼリ、コケモモ、トカチフウロといった可憐な高山植物が、そぼふる小雨の中で懸命に存在感を示しているのだ。「新・花の百名山」にふさわしいフラワーロードが続く。

フラワーロードの散策を終えると、今度は切り立った崖が目の前にあらわれる。羅漢岩である。この巨岩を前にした道のロープの先は、スパッと切れ落ちている。一瞬、急斜面の道を下るが、道そのものはしっかりしているから大丈夫だ。羅漢岩を過ぎると、再び花を愛でながらの山歩きが続く。シラネアオイの群生が有名な山なのだが、もう時季が過ぎてしまったのか見当たらない。

image

image

 

二等三角点と花の絵が描かれた山頂碑

ケルンが積まれた広場のような場所からオロフレ山を眺めるが、山頂付近はガスがかかっている。雨はずいぶんと小降りになり、ガスが下から上へ移動しているのがわかる。予想通り、誰ともすれ違わない静かな山歩きだ。しばらく進むと頂上が近いのだろう。細く急な登りとなってくる。岩が多くなってきた。相変わらず道の両側に花の姿が続く。飽きることのない楽しい行程だ。登り始めて1時間10分で山頂に到達。笹を刈り取った平坦な山頂に、二等三角点と花の絵が描かれた山頂碑が並ぶ。晴れていれば近くの倶多楽湖(くったらこ)から羊蹄山の秀麗な姿まで楽しめるという。雨は上がったが、残念ながらガスが残り、景色は楽しめない。そのかわり、さまざまな種類の高山植物が遠路からの登山者を楽しませてくれたから十分だ。

下山途中にちょっと楽しいシーンがあった。登山道の前方10mほどの所にキジバトとおぼしき鳥が佇んでいた。写真を撮ろうと、音を立てないようザックからカメラを取り出し、シャッターボタンを押そうとした瞬間、気づかれてしまった。「トトトト」と小走りに前方に去っていく。静かに歩いて距離を詰める。すると気配を感じて、再びトトトト。決して飛び去ろうとはしない。この繰り返しを3回。最後は道が曲がるところで近くのササ薮の中に姿を隠してしまった。すっかり山鳥に遊ばれてしまった。

9月下旬、秋晴れの日にこの山に再チャレンジした。山頂からは樽前山、風不死岳、ホロホロ山、そして羊蹄山、洞爺湖と最高の眺望を楽しむことができた。ダケカンバの白い幹、ナナカマドの宝石のように輝く赤い実が青い空に映え、山全体が芸術作品のようだった。

所要時間 2時間30分(休憩含む)

image

image

 

【パワースポット】登別温泉 泡を立てて煮えたぎる地獄谷は最強の“火のエネルギー”を噴出!?

日本有数の温泉地・登別温泉。その象徴ともいえる地獄谷はクッタラ火山の活動によってできた爆裂火口跡で、直径450m、面積11ha。山に囲まれた盆地状の荒涼とした光景が広がる。硫化水素の匂いが立ち込め、地獄谷のほぼ中央にある間欠泉・鉄泉池では湯煙をあげて温泉が煮えたぎる。まさに地獄の様相を示している一帯だ。この地獄谷からはパワフルな火のエネルギーが噴出しているそうだ。なかでも鉄泉池はそのパワーがすごいという。火のエネルギーは生命力の源。願いごとが叶うほか、ビューティ運がアップするともいわれている。女性にうれしいスポットだ。

image

 

【グルメ】白老[地消地産]海の幸に野菜、肉 すべてがおいしい

今回滞在した白老町は新千歳空港から道央道で約40分、苫小牧と登別に挟まれた所にあり、サラブレッドの牧場や製紙会社の存在で知られる町。漁港から水揚げされる魚介類は新鮮で安い。到着日、スーパーでさっそく食材を購入した。白老産ウニ950円(一折)、高級魚マツカワ(カレイ科)の刺身430円、「北海道の鯛」と呼ばれるソイ一尾296円、ボタンエビ322円…。洞爺湖サミットで世界のVIPから絶賛された白老牛は100g650円。小樽の銘酒「国稀」にサッポロクラシック(ビール)も忘れてはいけない。野菜も真狩のジャガイモ、伊達のアスパラ、白老のシイタケと名産が勢ぞろい。鮮度も味も抜群だ。

白老周辺には「ポロトの森キャンプ場」や「オートリゾート苫小牧アルテン」といった自然豊かなキャンプ場が整備されているから、地元ならではのおいしい食材を購入して仲間と星空を見ながらのテントライフも楽しい。

ウエムラ牧場の「白老牛プレミアムバーガー」(1200円)、「白老牛ステーキバーガー」(850円)=いずれもテイクアウト可=は、肉のうまみと甘みが凝縮された逸品。レストランでは王様ハンバーグセット、牧場の牛めしなど、白老牛を存分に堪能できる。

問い合わせ ウエムラ牧場 白老町字石山109-20
http://wagyu-oukoku.com

image

 

ANA 山ガールの空港自慢

多彩な飲食店、温泉、シアター、航空体験施設を備え、大人も子供も楽しめる空港です

ANA新千歳空港株式会社 グランドサービス部 貨物郵便課
髙橋 博美さん

image

「出発前、あるいは到着後のお客さまに快適にお過ごしいただける環境が整っている旅客ターミナルだと思います。お土産物のショップだけみても生鮮品、酪農製品、スイーツ、クラフト、雑貨まで本当に数多くの店舗が揃っています。飲食も海鮮・和食、洋食、カフェ、そしてラーメン専門店と迷ってしまうほどあります。7月16日には函館の有名なグルメ回転ずしの函太郎さんがオープンして人気になっています」

人気スポットは土産物、飲食コーナーだけではない。空港ならではの施設と、空港なのにという施設も話題を集めている。

「国内線ターミナルの4階には、露天風呂からエステまで楽しめる新千歳空港温泉があります。北海道旅行の最後を空港の温泉で過ごすという楽しみ方ができるのです。同じフロアにはじゃがポックルシアターもあり、話題の新作や名画などをご覧いただけます。航空ファンの方には国内線ターミナル4階の大空ミュージアムがお薦めです。1回100円から楽しめるフライトシミュレーターや、お子様にパイロットやCAの制服を試着していただけるコーナーがあって記念撮影もできます。みなさま、新千歳空港をフルに楽しんでください!」

 

北海道シリーズは今回で終了。次回は初秋の高知です。今年は坂本龍馬生誕180年でさまざまなイベントも開催されます。山歩きと街の最新情報をお届けします。

関連カテゴリー:
関連タグ: