第1回 就活女優ハラカナ、デビュー!


―― 『アリア』ですが、デビュー作ですね。

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原田 デビュー作です。

―― 実は撮影時は、原田さんは20歳を越えていた?

原田 21でした。

―― にもかかわらず、女子高生を完璧に演じていましたね。

原田 (笑)。ねえ、本当に。

―― でも、本当に演技としては初演技になるんですか

原田 その前に一本村松監督のショートフィルムを撮ってるんです。実質的にはそれが初なので。でも、長編映画の主役を、その時から考えたらよくやったなって思います。

―― 雪の上でのオールロケで。

原田 そうですね。

―― 非常に複雑なストーリーの映画ですよね。脚本を貰った時はどういう感想を。

原田 実は、脚本がなくてシーンだけがあって、台詞は全部リハーサルで相手役の井坂君とかと一緒に作り上げていったんです。だから台詞は全部自分から出て来た言葉なんです、ほとんどが。それを監督が台本に起してみたいな。

―― 演劇的なやり方ですね。

原田 そうですね。

―― エチュードっぽい。

原田 そうそう、エチュードをやりながら、「こういう時には、じゃあミチはこういうこと言うかな」とか言いながら作り上げていった感じなんです。だから、始めがそれだったんで、それからしばらくは台本貰って役を

やるっていうのが変な感じでしたね。

 

―― 演劇をやってる人は、口立てというか、その場でエチュードやりながらそれを音楽を聴くみたいに演じていったりしますけれど、なかなかやらないと慣れないですよね。

原田 そうですね。

―― そうすると、逆にわりと素に近いというか、感情表現は自分にかなり近い。

原田 そうですね。だから、あんまりこういうふうに芝居しようとか頭で考えずに、そのままで演じたっていう感じですね。

―― そうすると、全体像が見えづらいじゃないですか。終末がどうなのかっていうところまでなかなか自分の中で感情の起伏を作り上げづらいから、演技者としては、どうだったですか。

原田 今だったら、例えばそういうこと考えて、感情のピークをこれぐらいにして、とか考えるんですけど、その頃は全くそういう知識もないし、テクニックもないから、もうとにかくやる、その一つ一つのシーンをやっていくしかなくて。で、ほぼ順撮りで大体撮ってたんですよ。だから、その間に自分も変化していったっていう。だから、何だろう。どういうふうにやったかとか、あんまり覚えてないんですよね、自分で。今だったら、「この役作りどういうふうにやったんですか」って言われたら、大体答えられるんですけど、『アリア』に関してはなんかよく覚えてないというか。なんかね、そんな感じなんですよ。

―― 自分の実感情と演技してる感情が重なっちゃったりとか?

原田 、だんだん途中から、演技してるっていう感じでもなくなってきて。神社のシーンで男の子にボーンってやられて泣くシーンあるじゃないですか。あそこの本当に一番感情がピークだった時に救急車が通っちゃって、音待ちで、ずっとこの状態のまま五分ぐらい待ってたんですよ。すごい一番感情が来てる時に五分ぐらい中断されて。もう一回五分後に、「ようい、スタート」ってなった時に、またウワーッて感情がもう溢れて。だから、多分、頭で考えてたら結構大変だと思うんですよ、また上げるのが。でも、そういうこともなく自然とそうなってたんで。それが一番自分の中で印象的ですね。監督も「それを見て鳥肌立った」って言ってくれて。もう大丈夫だって思ったらしいです。それまでは、大丈夫かな、原田ってずっと思ってたみたいなんですけど(笑)。それを見て、「あ、もう大丈夫だって思った」って監督が言ってくださって。

―― 村松監督の作品としても、ある意味異色な。

原田 そうですね。

―― どうですか、村松作品に出てきた原田さんとしては。これは一つの原点となる作品だと思うんですけど。

原田 そうですね。だから、『アリア』があって、もうこの撮影中にもいろいろ監督と話をしたり、怒られたりしながら、本当に自分が成長できて。その後に『LOVE
HOTELS
』だったり、『HEY
JAPANESE! Do you believe PEACE,LOVE and UNDERSTANDING?
』だったり、やっていく中で成長してる自分を見せなきゃいけないっていうプレッシャーが、やっぱり「あ、前と変わらないね」とか、「なんか別に原田を使う理由ないね」って思われたら一番ショックじゃないですか。だから、この『アリア』があって、その後の作品が、やっぱりずっと自分の中で続いていて。なんかそういう意味では、この作品があったからこそ今につながってるかなっていう感じはします。

はらだかな

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福岡県生まれ 愛称はハラカナ 東京女子大学卒業 ‘042月より、「私を主演に作品を撮って!」と自ら、映画監督たちに直談判に行く女優の就職活動=就活女優ハラカナとして活動開始。ネット界での人気が爆発。’06DVD『就活女優DVD』を発売。以後、CM、ドラマ、映画へと活躍の場を広げている現在最も注目の女優だ。


 

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『アリア』

発売元:㈱ネイキッド 販売元:

ポニーキャニオンより3,990(税込み)
626日発売

 

 

 


 

取材/DJ
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撮影/桑原 靖

スタイリスト/芹澤絵美 ヘアメイク/藤原みさ

 

 

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