千堂あきほ語る少年隊の異常な人気「コピーのサインでも数ヶ月待ち」
画像を見る 高校3年生のころの千堂さん

 

■その場のノリでオーディションに応募

 

中学卒業後は、県立高校の演劇科へ進学した。

 

「芸能コースではありましたけど、舞台論や演劇史などを学んで幼稚園の先生になり、子どもが楽しく表現できる場を作るのが、将来の夢だったんです」

 

だが、クラスメートは本気で芸能界を目指している人ばかり。入学当初は気後れしたという。

 

「みんな『私が一番』『私を見て』というタイプで、いつも『劇団○○座に受かるには?』とか『○○のオーディション、どうする?』という話をしていて……。自分とはまったく違う人の集まりだと思っていました」

 

そんな友達に囲まれていたこともあり、“その場のノリ”で、一緒に撮った写真を、雑誌に掲載されていた『ロッテ CMアイドルはキミだ!』というオーディションに応募することに。

 

「受かるなんて思っていなかったのに『審査に通ったので、歌を歌いにきてください』と電話があったんです。親は『高校卒業後の進路を考える大事な時期に!』と言いつつも、『まあ、今しかできない貴重な体験だ』と、最終的に参加させてくれたんですね」

 

だが、急に「歌いにきてください」と言われても、アイドルの曲はほとんどわからない。そこで姉の部屋に入り、偶然、手に取ったカセットテープに入っていた中森明菜の『ジプシー・クイーン』(’86年)を、オーディションで披露することにした。

 

「歌のレッスンもしていなかったし、自分でうまいと思ったこともなかったのですが、なぜか参加者300人くらいのなかの10人に選ばれて、東京の本選に出ることに。父が同行してくれたんですが、東京観光の気分だったものだから、ディズニーランドに行ったこと、帰りの新幹線の食堂車でご飯を食べたことくらいしか覚えていません(笑)」

 

オーディションではグランプリこそ逃したものの、その後、芸能プロダクションの社長がスカウトのために、何度も実家を訪れた。

 

「高校卒業後は短大に進むつもりでした。でも、父からは『短大に行ったつもりで、2年だけ勉強してみればいい。だめならそれから短大に進めばいいじゃないか』と言われて」

 

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