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Courtesy of Lucien Parisseaux

フランスはカレー在住のルシアン&ジャクリーヌ・パリソー夫妻には、ダウン症の息子がいる。彼の名はマニュエル。30歳の誕生日を目前に控えた11月3日、父ルシアンはFacebookの25人の友達に向けて、「息子のマニュエルは22日に30歳になります。息子はポストカードをもらうのが大好きです。あなたの時間をほんの少し分けてもらって、彼のためにカードを送ってもらえないでしょうか。住所はこちらです」と書き込みをした。

このポストは瞬く間にシェアされ、その数は12万回以上にも及んだ。そして、誕生日が近づくにつれ、続々とバースデーカードが届きはじめた。

「なぜあのちょっとした呼びかけがみなさんの心を動かしたのかわかりませんが、こんなにカードを送ってもらえるなんて、想像もしていませんでした。本当に心が温まります」とルシアンはFacebookを通じて感謝を表したが、誕生日当日にはさらに驚くことが起きた。

その日はいつもの郵便配達員ではなく、1台のトラックがパリソー家に到着。荷台をあけると多数のコンテナが積まれており、それがすべてバースデーカードでいっぱいになっていたのだ。その後も世界中からカードは届き続け、その枚数はなんと4万2千通にも上ったという。

中にはカップケーキやマニュエルの写真を入れた小物、子どもが描いたお祝いの絵などもあったとか。「すべてが愛と優しさであふれています」とルシアンは感激しきり。マニュエルも心から喜び、お気に入りを選ぶことなんてできない、と嬉しい悲鳴を上げているという。

TODAY紙の取材に応えたルシアンは、息子が自身に向けられる差別の目にずっと耐えてきたことを明かしている。

「マニュが10代になったとき、他の人との“違い”にとても苦しんでいました。でも、今回のこの素晴らしい体験で、彼は幸せをもらいました。世界中の人が、彼を“同じ”に扱ってくれた。本当に素敵なことです」。

SNSの持つ力を思い知らされるエピソードだった。

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