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イングランドとウェールズで、乳児を育てる母親のための法律が成立する見込みだ。

 

母親が赤ちゃんに公共の場で授乳している姿を、母親の同意なしで撮影することが今後犯罪になるとBBCなどが報じている。

 

「自己満足であれ、嫌がらせ目的であれ、女性が苦しめられることを抑止できるだろう」とドミニク・ラーブ司法相はメディアに対してコメント。法改正を訴えてきた活動家グループは「母乳育児をする母親のための勝利」と喜びの声を挙げた。

 

事の発端は2021年4月、マンチェスターに住むデザイナー、ジュリア・クーパーさんが授乳する様子を無断撮影されたことだった。

 

「娘に授乳するためにベンチに座ったのですが、別のベンチに座っていた男性がこちらを見つめていることがわかりました。視線に気づいていますよ、と知らせるために見つめ返したのですが、彼はカメラを取り出し、望遠レンズを付けて私たちを撮影し始めたんです」とクーパーさんはBBCの取材に対して語った。

 

Guardianによると、男に写真を撮っているのかと尋ねると、「ここは公共の場だから、写真を撮ったってかまわないだろう」と言われ、クーパーさんはひどくショックを受けたという。警察に相談したが「犯罪にはあたらないから、何もできない」と門前払いされてしまったそうだ。

 

クーパーさんはBBCに対して、「私の行為を撮影する権利があると彼が思っていることにひどく腹が立ちました。そして自分が無力だと感じ、何か行動に起こすべきだと思ったんです」とその思いを明かした。

 

クーパーさんは、地元選出の労働党庶民院議員ジェフ・スミス氏に陳情。スミス氏は、同じく電車内で10代の若者に笑いながら授乳を盗撮された経験を持つステラ・クリーシー議員と「Stop the Breast Pest(授乳への有害行為を止めさせよう)」というスローガンを掲げて法改正運動を展開。2021年6月、庶民院に「警察、犯罪、判決および裁判所法」の修正法案を提出した。

 

クリーシー議員は、地下鉄車内での授乳中に盗撮被害に遭って以来、同じような体験をしたたくさんの母親との対話を重ねてきたという。

 

じろじろ見られたり、盗撮されたりしたことはもちろん、「次は俺の番だよな?」と下品な声かけをされたケースもあり、こうした嫌がらせが英国内における母乳育児率の低下を招いているのではないかとクリーシー議員は考えているという。

 

2021年11月には、貴族院議員のデビッド・ウルフソン卿が「同意なしに授乳中の画像を記録すること、その他の方法で授乳を観察することを新たな犯罪と規定し、有罪とするには『加害者が性的満足を得るため、もしくは被害者に屈辱を与え、驚かせたり苦しめたりすること』が目的でなければならない」とする修正法案を提出。この法案は今月4日に議会を通過した。

 

授乳の盗撮には最高で2年の禁固刑が科されることになるが、授乳のために母親が服を自ら脱いだ場合は今回の法律は適用されないという。

出典元:

WEB女性自身

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