image

空前のHIP HOPブームを迎えている韓国音楽シーンからトップアーティスト3組が登場。11月14日に渋谷で行われた公演では3組3様のパフォーマンスで観客を圧巻し、新たなウェーブの誕生を予感させた。

K-HIP HOPを担うVerbal Jint、San Eとはじめとして、キゲン、サンチェスそしてハンヘの3人からなるPHANTOM。彼らが語る韓国音楽業界の変化とは――。

 

――デビュー時期に最大で10年の差がありますが、お互いの「素晴らしい」と思えるようなリスペクトできる部分は?

VJ:PHANTOMは3人の独特で絶妙な調和があって、毎回、雰囲気の違う曲を作れるのが羨ましいと思いますし、学びたい部分でもあります。

サンチェス:Verbal Jintさんは音楽の先輩として本当に学ぶ部分の多い方です。そのなかでもひとつ選ぶなら、音楽に対する誠実さ。ストーリー性が高くて、フルアルバムはまるでひとつの映画を観ているかのような気持ちになります。

San E: Verbal Jintさんは僕が幼いころからずっと好きなラッパーです。どんなことをしているかチェックして、それを自分にも取り組んでいます。PHANTOMは、常に新しい音楽を発信していますね。自分で曲を作っているとどうしても曲調が似てきてしまうのに、それを破ってくるPHANTOMはカッコイイなぁと思います。

サンチェス:僕たちは同じ事務所なので大家族のようなんですよ。Verbal Jintさんは第1世代、San Eさんは第2世代、僕らは第3世代といった感じで……。ひとつに集まっているんです。楽しいですよ。

image

――『SHOW ME THE MONEY4』(Mnet)にプロデューサーとして出演して感じたことは?

VJ:多くのラッパーが世間に名前を覚えてもらいやすい環境になり、HIP HOPに触れる機会そのものが多くなりました。だからこそ、それぞれが個性を発揮し、HIP HOPが定着するのか、似たようなラッパーばかりになって世間に飽きられてしまうのか・・・これからが重要だと思います。

サニ:一過性のブームで終わってしまうこともあり得ます。今は過渡期と言えますね。でも、世間一般の人々が関心を持ってくれているのは事実だと思います。

image

――ハンヘさんは挑戦者として同番組に出演していましたが、心に残るエピソードはありますか?

ハンヘ:脱落が分かってすぐに、一緒に出場していた同じ事務所のCANDLEというラッパーに電話をしたんです。「落ちた」と伝えたら、何もなかったように「お疲れ様」と言われました。CANDLEが僕より先に脱落したとき、僕は励ましてあげられなかったのに温かく言葉をかけてくれたことがありがたくて。僕たちの関係がより強くなるきっかけになったと思います。

 

――音楽チャートにも異変が。なぜ今、韓国でHIP HOPブームが起きているのでしょうか?

VJ:韓国のHIP HOPシーンは以前から競争が激しくて。それぞれが努力を積んだことで技術が高まり、新しい音楽スタイルが生まれたのだと思います。エナジーが溢れているからこそブームが起こったんじゃないかな。

サニ:歴史は長いと言えば長いし、短いと言えば短いですが、どうして最近になって世間一般にまで浸透したのか・・・。やはり、『SHOW ME THE MONEY』の影響が大きいと思います。また、先輩アーテストたちが基礎を構築してくれました。昔はダサかったけれど、今こうして韓国語でカッコよくラップができるのは試行錯誤してきた功績。それが世間の心を掴んでいるのだと思います。だってダサかったら好きにならないでしょ?

image

――K-HIP HOPはまだまだ盛り上がりそうな予感。来年の抱負は?

キゲン:Verbal JintとSan Eが韓国HIP HOPのトップにいるのはマニアたちに認められたからだと思います。韓国では、マニアに認められた歌手は必ず成功するジンクスがあるんです。PHANTOMもそうなるために、これからもガムシャラに頑張っていきます!

VJ:今年はスケジュールの関係であまり音楽作業に専念できませんでした。来年はたくさん曲を作りたい。願いとしてはフルアルバムを2~3枚発表したいですね。それが皆さんへお見せする僕の中で一番輝いている姿だと思います。

サニ:新しい体験はインスピレーションを与えてくれて、それが音楽に反映されていきます。つまり、いい音楽を作るために新しいことに挑戦したい! 今回の来日も、新しい人に出会って、新しい場所で新しい食べ物を食べて、新しい方法で取材を受ける。その経験が知らず知らずに僕の体に染み込んで、ある瞬間に放出されるのですが、僕はそれを音楽で発信していきたいです。とにかくチャレンジ!

プロフィール:Verbal Jint

’01年デビュー。King Of Flowと称される韓国HIP HOPの先駆者とされる。

San E(サニ)

‘08年デビュー。米・サンディエゴで育った独特のフィーリングで絶大な支持を集めている。

PHANTOM(キゲン、サンチェス、ハンヘ)

‘11年デビュー。オールジャンルをこなすハイブリッドHIP HOPグループ。

image

動画はコチラ

(撮影/加治屋誠・動画/Bravoworks,inc.)

 

<関連記事>

アイドル時代に喝! Verbal Jint、San E…人気爆発Kアーティスト5選

 

関連カテゴリー: