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(写真・神奈川新聞社)

カップヌードルミュージアム(横浜市中区)で、バレンタインデーの特別企画として、ハート形チキンラーメンの手作り体験が29日まで行われている。〝限定〟という言葉に弱いデジタル編集部員がミュージアムに潜入。様子をリポートする。

 

2人1組で出向いたのは、館内に常設されている「チキンラーメンファクトリー」。チキンラーメンのパッケージに描かれている「ひよこちゃん」がデザインされたエプロン、三角巾を身につけ、手を洗って待っていると、課外学習と思われる女子高生の集団がやってきた。まるで調理実習の授業のような雰囲気になった。

 

お湯があればすぐに食べられるチキンラーメン。いまでは1年間に約54億食が消費されているという。身近で手軽な印象があるが、「歴史を学びましょう」と始まったVTRで日清食品の創業者・安藤百福(ももふく)が、1日4時間の睡眠生活を約1年続けた末に、世界初のインスタントラーメンとして1958年に生み出したと紹介され、驚いた。

 

「さぁ、キッチン台へ」と促され、いよいよ調理だ。ボウルに小麦粉を入れ、調味料入りのごま油とともにかき混ぜていく。周囲にごまの香りが立ち、広がっていく。3分ほど混ぜ、今度はめん棒を使って生地を伸ばすが、これがなかなかの重労働。しかし「もちもち感はここで決まります」と言う先生の声に、腰を入れて挑む。弾力で浮き上がってくる生地に悪戦苦闘した。

 

製麺機を使って伸ばした後は、生地を落ち着かせるため小休止。この時間を利用して、できあがったチキンラーメンを入れる袋に好きなイラストを描いていく。女子高生たちは楽しそうだが、図工が苦手な筆者にとってはつらい作業だった。絵の得意な同僚は手際よくオリジナルパッケージを仕上げていく。

 

生地を熟成させ始まった後半は、再び製麺機を使い生地を伸ばす。20センチほどの長さから、約2メートルにまで伸ばし、へとへとに。できあがった麺を食べやすい長さに切り、1人分100グラムに分けたら、先生にバトンタッチ。先生が麺を手もみしていくと、面白いように麺がウエーブ状に変わっていく。麺を蒸し上げるのは先生にお任せ。熱々になって戻ってきた麺に、味がついたスープをもみ込む。「スピード勝負」との声に焦るが、漂うチキンラーメンの香りに、ゴールはもうすぐだなと高揚する。

 

最後の行程も先生。ハート形に入れた麺は「瞬間湯熱乾燥法」と呼ばれる手法で揚げていく。180度の油で揚げたチキンラーメンは、ふたを開けるときつね色のハート形に。参加者から「おぉー」と歓声が起こっていた。

 

できたてのチキンラーメンは、自分だけのオリジナルパッケージの中へ。袋は半透明なので、ハート形が見えるとうれしくなる。「食べ比べてみて」と販売されているチキンラーメン一袋と、調理中に使った三角巾をお土産としてもらう。約90分、楽しい時間だった。

 

世界でただ一つのチキンラーメン。袋にイラストを描く際、アイデアが浮かばず半泣きになったことなどは、はるかかなたへ。手にするとにやにやが止まらない。「いつもありがとう」と書いてはみたけど、しばらくは手元に置いておきたいな。

 

体験は1日8回行われる。申し込みは2名1組(男女問わず)で料金は小学生300円、中学生以上は500円。大人は別途入館料500円が必要(高校生以下は無料)。予約は施設の公式サイトか電話045(345)0825で受け付ける。火曜休館。

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