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(写真・神奈川新聞社)

 

東京電力福島第1原発事故で横浜市に自主避難した男子生徒(13)へのいじめ問題で、林文子市長は31日、同市中区の市役所で生徒と母親に初めて面会し、学校などの対応の遅れが原因で「長い間つらい思いをさせた」として謝罪した。林市長は面会後、「この思いを忘れず二度とこういうことがないよう、市を挙げて取り組む」と再発防止を徹底する考えをあらためて示した。

 

市教委や生徒側の代理人弁護士によると、面会は約15分間で岡田優子教育長も同席した。生徒はいじめを受けた当時を振り返り「(学校や市教委などの)大人たちに自分の気持ちを気付いてもらえなかった」と話した。その上で「ほかの子たちに同じようないじめを体験してほしくない」と対応を求めた。

 

林市長は「私の心に深く突き刺さった。語ってくれた言葉には多くの(再発防止の)ヒントがあった。市教委やわれわれが意識を変える。子どもに向き合える現場をつくるのが仕事」と強調。岡田教育長は「(いじめを)見逃さない教師の感度を育成していきたい」と述べた。

 

生徒の母親は弁護士を通して「子どもが直接訴えたことを真摯(しんし)に受け止めていただき、市全体で改革につなげてほしい」とコメントを出した。

 

金銭授受をいじめと認めないといった対応について、生徒は2月、「(理由を)知りたいし、話を聞いてほしい」と記した手紙を弁護士を通じて林市長に渡し、面会を申し入れていた。

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