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(写真・神奈川新聞)

 

原因不明の難病を発症し、志半ばで閉店した横浜市中区のラーメン店主が30日、こだわりの中華そばを1日限りで復活させる。「店を閉じたのは本意ではなく悔しかった。伝えられなかった感謝の思いを込めて作りたい」。31日は、闘病を支えた2人の青年店主とともに3店舗の特徴を生かした“年越しそば”を提供する。

 

「熱血らーめん in Yokohama」を同区伊勢佐木町で営んでいた鉄谷好古さん(45)は股関節の骨が壊死(えし)する特発性大腿(だいたい)骨頭壊死症と診断された。今年5月、手術と治療に専念するために店を閉じた。

 

京都府出身。京都のラーメン店を食べ歩き、究極の京都ラーメンを独学で追究してきた。相模原での出店を経て2015年10月に横浜で店を開き、鶏がらと豚骨で取った清湯(チンタン)に背脂をちりばめたしょうゆラーメン「熱血中華そば」を提供。口当たりはあっさりとしているが深いコクがあり、見た目とは正反対の強い印象を与えたことで多くのラーメンファンを魅了してきた。

 

「熱烈なファンとして、またあの味を食べたい」と復活話を持ち掛けたのは、同じ業種の仲間たちだった。「自家製麺 麺屋M」(同区曙町)店主、村上裕幸さん(37)と「麺場鶏源 黄金町店」(同市南区前里町)の店主、中山大典さん(36)。3店舗は味の方向性は全く異なるがそれぞれの部門でトップを狙う意欲に満ち、年齢も近いことから意気投合。「ララバイ会」と名付けた。

 

30日限定の「熱血中華そば」(850円)は「一言で言うと自信作。清湯としょうゆの『返し』で作るスープはさらに改良を重ねた」と鉄谷さん。村上さんが小麦粉の選別や配合を独自で開発した自家製麺5種類から、最も合う中細麺を3人で選び抜いた。

 

31日の3店舗コラボ企画の商品は「鶏白湯(パイタン)熱血味噌(みそ)〜Mのしらべ〜」(千円)と命名した。鉄谷さんが使った合わせみそと中山さんの鶏白湯の濃厚なスープは、3人の予想以上に相性が合った。うま味を感じるのに後味はすっきり。自家製の中細麺とマッチし、新たな次元の味にまとまった。肉野菜炒めを添えてボリュームも満点だ。

 

3人は「試食では麺が違うだけで味が変わった。互いに遠慮せずに思いを伝え、最高の一杯に完成させた。純粋にスープと麺を楽しんでほしい」と話す。その上で、鉄谷さんは言う。

 

「再びチャンスをもらい、自分は生かされていると思った。感謝という言葉を胸に、同じ病気に向き合い復活を目指す人たちの励みになりたい」

 

麺屋Mで30、31日とも午前11時から、いずれも100杯限定。鎌倉街道沿いで市営地下鉄ブルーライン阪東橋駅から徒歩3分。

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