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(写真・神奈川新聞)

 

神奈川県警が2017年に認知した特殊詐欺の件数が2,314件で、被害総額は約53億400万円に上り、ともに過去最悪だったことが県警のまとめで分かった。現金ではなくキャッシュカードをだまし取る手口が前年の10倍超に急増し、全体を押し上げた。

 

県警によると、統計がある04年以降、認知件数は08年の1,988件、被害総額は14年の約51億3,800万円が最多だったが、17年はそれぞれ326件、約1億6,600万円上回った。

 

内訳は「おれおれ詐欺」が1600件、約35億2,400万円(前年比759件増、約10億500万円増)で認知件数の約7割を占めた。次いで「還付金詐欺」が468件、約6億2,300万円(212件増、約3億200万円増)だった。

 

中でも、キャッシュカードをだまし取り、現金自動預払機(ATM)などで現金を引き出す手口が733件と、16年の61件から大幅に増え、被害額も9億円を超えた。

 

犯行グループは警察官や銀行協会、金融庁の職員などを装った電話で「キャッシュカードが悪用されている」などと不安をあおり、巧みに暗証番号を聞き出して再発行を促す。現金を用意するために金融機関などに出向く必要がないため、犯行に要する時間が極めて短く、第三者の声掛けによる防止も難しい。

 

県警幹部は「振り込め詐欺は知っていても、カードをだまし取る手口を知らない人は少なくない。絶対に他人に渡さないことが大切」と警戒を強めている。

 

一方、被害者の年齢構成は70代が半数近くを占めるなど、60歳以上が9割超に上り、高齢者が狙われている実態が改めて浮き彫りとなった。また、金融機関職員らの声掛けなどにより、1,381件の被害が防止された。

 

18日には県警本部で対策会議が開かれ、斉藤実本部長が幹部約50人に「最優先の重要課題。撲滅に全力で取り組んでほしい」と呼び掛けた。