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(写真・琉球新報社)

石川酒造場(沖縄県西原町、仲松政治社長)は12日、琉球大との共同研究により、泡盛の製造過程で造られる「もろみ酢」を乳酸発酵させた乳酸菌飲料「美(ちゅ)らBio」を開発したと発表した。もろみ酢を使った乳酸菌飲料の開発は国内初。2004年をピークにもろみ酢出荷量の落ち込みが激しい中、美らBioの開発により、市場全体の活性化が期待される。

 

石川酒造場は独自の発酵技術により、もろみ酢の機能性を維持したまま、もろみ酢特有の風味を改善し、シークヮーサー風味のさっぱりとした味わいに仕上げた。長崎国際大学の動物実験で、美らBioは肝機能の保全作用や整腸作用、抗酸化作用などの効果が確認されており、同社は将来的に機能性表示食品での販売も視野に入れている。

 

美らBioの販売は、もろみ酢の需要が根強い県外を中心に早ければ来年3月下旬に始める。価格は100ミリリットルボトル缶で300円(税抜き)。主に20~40代の女性をターゲットに月間で2万本、年間24万本の売り上げを目標に掲げる。

 

石川酒造場と琉球大が確立したもろみ酢の乳酸菌発酵技術は現在、特許を出願中。長崎国際大薬学部の野嶽勇一准教授によると、マウスを使った動物実験で、美らBioの原料となる「チュラビオ」の粉末を餌として与えたマウスは内臓脂肪や血中コレステロール量の抑制などが確認された。

 

もろみ酢は泡盛の製造過程で出る酒かす(もろみかす)を搾って造る発酵食品で、アミノ酸やクエン酸を豊富に含むのが特長。石川酒造場がもろみ酢を初めて商品化した。12日、県庁で会見した仲松社長は「わが社はもろみ酢のパイオニアカンパニーとしての自負がある。美らBioはさまざまな利点があることが示唆された体に優しい乳酸菌飲料だ」と話した。
美らBioの商品化は県産業振興公社の戦略的製品開発支援事業の補助金4200万円を活用して行う。

 

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