アリを探すOISTの吉村正志博士(下)と読谷高校科学同好会の生徒=25日、読谷村の同校 画像を見る

沖縄県立読谷高校(読谷村)の科学同好会の生徒4人と、沖縄科学技術大学院大学(OIST)研究員でアリの研究者である吉村正志農学博士らが25日、同校内でアリの調査をした。科学同好会から校内でアリが4種しか発見できないとの「相談」がOIST側にあり、科学同好会の生徒とOISTが“勝負”する形で何種類のアリがいるか調べることになった。結果は科学同好会が5種、OISTが7種を確認、プロの実力を見せつけた。新たに5種のアリが見つかった。

 

科学同好会は、2016年から吉村さんがコーディネーターを務める陸域環境モニタリングプロジェクト「OKEON美ら森プロジェクト」に参加し、OISTのオープンキャンパスの展示でも説明員を務めている。

 

科学同好会の生徒から相談を受けた吉村さんは「学校は山と街との間にある。もっと見つけることができるのでは」と考え、一緒に調査することを提案した。その理由について吉村さんは「一緒にやることで、プロの僕らがどのように調査しているのかが分かるはず。仮に本島に種が少ないのだとしたら、その理由を考えるのも大切だ」と話す。

 

勝負は学校裏にある花壇20メートルの範囲で、15分以内にどれだけ見つけることができるかを競った。吉村さんとOKEONスタッフの諏訪部真友子博士、小笠原昌子さんの調査手法を見た後、生徒たちも調査に挑んだ。

 

科学同好会部長の石川侑典さん(17)は「OISTの皆さんは満遍なく調査し、表面だけではなく深いところも調査していた。負けたのは残念だが、得たものの方が多い。OISTに負けないように研究を続けていきたい」と刺激を受けた様子だった。

 

吉村さんは「これから新しい発見もあるのではないか。彼らも研究のパートナーだ。今後にとても期待している」と述べた。

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