(写真・神奈川新聞)

 

湯河原、真鶴町の妊婦搬送サービス「マタニティ・サポート119」の利用者が、運用開始2カ月で10人となった。当初は出産件数の3割程度(年間30人)の利用を想定していたが、6月6日現在の登録は里帰り出産を含めて60人と好調。町は若い世代に「出産を助けてくれる町」として知られ、今後の移住定住の呼び水になればと期待する。

 

町内に分娩(ぶんべん)施設がなく、小田原、平塚両市や、静岡県の病院を利用する妊婦の不安を軽減したいと発案された。専用車両を用意したのは全国初。4月に3件、5月に7件の利用があった。搬送中に出産まで至った例はない。

 

希望者は事前に保健センターで登録。医師の指示の下で通常の出産のためにかかりつけの病院へ向かう際に、湯河原町消防本部(同町土肥1丁目)に配備された搬送車で送る。登録・利用とも無料。搬送業務は消防本部の警備小隊(3人編成)が担っている。

 

119番で連絡するが、救急業務ではなく「安心を第一とした住民サービス」という位置付けだ。「家族の不在時に1人で病院に向かう心細さもサポートしたい」と高吉裕二消防署長は話す。

 

<photo_2> 早産など緊急性があれば通常の高規格救急車で対応するが、マタニティ・サポート車もいざというときに手当てができ、サイレンと赤色灯を使って救急走行ができることも強みだ。

 

第1号となった4月8日の搬送では、陣痛の間隔が短くなったため、救急走行を実施。「心強かった」と感謝されたという。到着後の手続きは妊婦が行うのが原則で消防は搬送後はノータッチだが、「無事産まれました」とお礼の電話がくることも。

 

出生届があった場合と利用がないまま予定日から1カ月が過ぎた場合は、登録名簿から随時外していく。