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英国や米国で接種が始まった新型コロナウイルスワクチン。国内でも米製薬大手のファイザーが18日に厚生労働省に初めて承認を申請した。厚労省は国内での臨床試験(治験)などを経て来年2月にも承認の可否を決める。一方、開発が進むコロナウイルスワクチンの一部は超低温での保管が必要だとされる。沖縄は離島を多く抱えるが、専門家は政府が調達・供給する専用冷凍庫(ディープ・フリーザー)やドライアイスを活用すれば、各離島への供給も可能だと分析する。

 

県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は「ドライアイスに詰めれば、保管面の問題はなく、どの離島にも届けられるだろう」と説明する。一方、「誰を対象に、誰が接種するのか。体制の課題はまだ残っている」と指摘する。

 

高山医師によるとワクチンには(1)発症予防(2)重症化予防(3)感染力予防―の3機能が期待される。ただ開発された新型コロナワクチンはまだ発症予防効果しか明らかになっていない。感染力予防効果が備わっていなければ、流行を抑えることはできないため、効果に未知数な部分が残る。

 

厚生労働省は18日、地方自治体を対象にワクチン接種に向けたオンライン説明会を開いた。それによると、最短の日程でワクチンを承認した場合、まず2月下旬には約1万人の医療従事者に「先行接種」できる体制を整える。3月にかけて医療従事者など(300万人程度)に優先接種し、続いて高齢者(3千万~4千万人程度)、基礎疾患のある人、その他の人たちの順で接種を進める。

 

国がワクチンを調達して配分を決め、都道府県の協力を受けて市町村が接種を実施する。接種は「原則、居住地の市町村」で受ける。接種を受けるために離島地域から飛行機や船で本島などに移動するような方法は予定していない。接種料は全額国が負担する。

 

厚労省は現段階で(1)米製薬大手ファイザー(2)米バイオ企業モデルナ(3)英製薬大手アストラゼネカ―の3種のワクチンを有力候補として自治体に説明している。一部はマイナス70度以下での保管が必要なため、政府は保管・運搬用の専用冷凍庫とドライアイスを調達し、各自治体に割り当てる。3種はいずれも2度の接種が必要だ。

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