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新型コロナウイルスは“でっち上げ”という虚偽の主張を信じていた、米・フロリダ州に住むブライアン・リー・ヒッチェンズさん。ブライアンさんの妻・エリンさんがウイルスに感染、死亡したとBBCニュースが報じた。

 

夫妻は、ネット上で発信される新型ウイルスについての様々な主張を信じていた。新型コロナウイルスについてブライアンさんはBBCの取材に対し、「政府が国民の注意をそらすために利用しているのではないかと考えていた」「あるいは、5Gの電波と関係があると思っていた」と答えている。

 

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたころ、ブライアンさんはソーシャル・ディスタンスを守ることなく、マスクも着用せずタクシードライバーとしての仕事を行っていた。そして5月初旬に二人そろって体調が悪化、その際も適切な治療を受けなかった。その後コロナと診断されたが、罹患して初めてブライアンさんは新型ウイルスが虚偽の情報ではなかったと認識。ブライアンさんは回復するも、エリンさんは新型コロナウイルス感染に関連する心臓病で8月に入り帰らぬ人となった。ブライアンさんは「ガイドラインに初めから耳を傾けていればよかった」とし、エリンさん許しを乞いたいとBBCに明かしている。

 

コロナに関連する“偽情報”を信じて死亡する例は他にもーー。
米国では3月ごろ「抗マラリア薬に新型コロナの治療効果が期待できる」というデマを信じ、自己判断で服用した男性が死亡。またブライアンさんと同じようにコロナを“でっち上げ”だと信じた若者が、感染者から感染するかを試す「コロナパーティー」に参加後、発症によって死亡したりしている。イランなどでは、予防策として「高濃度アルコールの摂取がウイルスの消毒になる」という情報が広まった結果、メタノール入りの酒が出回り、約800人が死亡、60名が失明した。

 

日本でも明らかな死亡例こそないものの、国民主権党党首の平塚正幸氏(38)が「コロナはただの風邪」を合言葉に集会をおこなったり、そのメンバーでマスクを着用せずに山手線に乗車したりしている。今後もワクチンや治療薬などが普及していく過程で、情報や主張が信頼できるものかの判断は適切に行いたいものだ。

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