5月に栃木県の御料牧場で静養された際、たけのこ掘りに挑戦された愛子さま(写真提供:宮内庁) 画像を見る

大きなたけのこを掘り出そうとして、思わずしゃがみこまれる愛子さまや、生まれたばかりの子羊を抱かれてほほ笑まれる雅子さまと愛子さま……6月6日、宮内庁は5月に栃木県の御料牧場で静養された天皇ご一家のプライベート写真を公開した。

 

メディアに提供された21枚のうち、天皇陛下が愛用するカメラで撮影された7枚も含まれていたという。この写真にSNS上では、

 

《すごい素敵な写真ですね!》
《絵本の挿絵のようで、ほっこりして幸せな気分になる》

 

といった絶賛する声が広がっていた。皇室担当記者はこう語る。

 

「御料牧場で過ごされたときの写真のほかにも、春の園遊会で話題となった天皇ご一家の愛猫『みー』と『セブン』の写真も次々と公開されたのです。とくに『みー』の写真には愛子さまが撮影されたものもあり、ご一家が日常的に愛情を注がれていることが伝わってきます。両陛下はまもなく英国を訪問されますが、それを前に皇室の情報発信にも変化の風が吹いているように感じます」

 

この言葉どおり、変革はすでに始まっていた。天皇陛下と雅子さまは、先月21日に千代田区立九段幼稚園を訪問されている。この様子を伝えるインスタグラムの動画に、音声が入っていたのだ。前出の皇室担当記者は、

 

「これまでは、宮内庁が公開する映像は“無音”であることがほとんどで、音声が入ることは大きな進歩です。動画コンテンツが社会に普及して久しいですが、宮内庁は頑なに無音を貫いてきました。音声入り動画は、両陛下が裁可されたことで実現したのでしょう」

 

それにしてもなぜ、これまで映像に音声が入っていなかったのか。

 

「宮内庁の上層部は、天皇が発したお言葉が重大な結果をもたらしかねないという警戒感を抱き続けてきました。昭和天皇による記者会見での発言のなかで、戦争に関する言及が国内外で大きな波紋を生んだこともあるからです。

 

ずいぶん前から、メディアからの“チェックして問題のない会話なら配信すべきでは”という要求があったにもかかわらず、過剰なまでに懸念する幹部が多かったのです」(宮内庁関係者)

 

名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんは、“音声入り動画”が配信されたことについて、次のように解説する。

 

「音声が入らない映像は、“皇室は一般国民と違う存在だ”という印象を広げ、国民との距離を遠ざけてしまう一面がありました。そうした意識が根強い宮内庁が、公開する映像に音声をつけたのは画期的なことです。天皇陛下と雅子さまが、ネットを用いた情報発信の有用性を深く理解されているからこそ、実現したのだと思います。

 

以前からSNSを積極的に活用してきた英王室のように、皇室でもそうした方向性を模索していくべきではないでしょうか」

 

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