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(写真・神奈川新聞社)

 

電子機器の受託製造サービス(EMS)の神峯電子(藤沢市)は、いびき軽減や睡眠改善を狙った同社初の自社製品の枕を年度内にも発売する。電子機器設計で培った経験を生かし、IoT(モノのインターネット)やセンサーの技術を活用。枕の形状を電子的に制御し、最適な位置で頭部を支え、安眠を促す“ロボット枕”の実現を目指す。

 

枕は、コントローラと呼ばれる端末とセットで稼働し、睡眠に適した頭部のポジションを確保する。一時的に枕の形状や固さを変化させるだけでなく、最適な形状に自動的に近づける学習機能を持つ人工知能(AI)を、コントローラ内に搭載する予定だ。

 

枕は、内蔵センサーが個人の睡眠状態を検出し、それを基にコントローラが枕の内側に四つある空気袋を伸縮させ、形状を制御する。いびき対策では、首筋の位置の高さを変えるなどし、いびき軽減に有効とされる横向き寝を促す。

 

黒岩登社長は自社製品づくりに踏み出した理由を「既存の社内の資源で新規事業を育てられるだけでなく、技術・開発力の向上や社員のモチベーションアップで本業のEMSにも相乗効果がある」と説明。2010年に医療機器製造業許可を取得しており、技術的な下地も多く生かせる。

 

今後は販売に向け、効果検証や最終的なデザインの選定などを進める。販路には既存取引先のネットワークの活用などが見込めるといい、睡眠の質の改善を通じた健康増進をアピールし、需要を掘り起こす考えだ。

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