仕事が終わり行きつけのイタリア料理店に行きまして、パスタを注文しました。ガラガラだったのですが、近くの席に母子がやってきて座りました。たまにお見かけするご近所さんです。いつもは旦那さんと3人なのですが、今日は2人でした。
食事をしていると電話がかかってきて、お母さんが立ち上がり、少年の後ろで立ち話を始めたのですが、カーテンで仕切られているだけなので、しかも興奮気味だから声も大きく、筒抜けなのです。少年が立ち上がり、カーテンの向こうで電話をするお母さんを思いやっています。なんの話だろう、と耳を傾けると離婚の話ではありませんか。
「あなたは養育費も払うつもりはないのよね? 勝手に新しい恋人作って出て行って、でも、この子は生きているのよ。すべてがあなたの思い通りね、よかったわね」。お母さんは皮肉たっぷりに文句を言っています。少年はカーテンの後ろに立って聞いています。その丸まった背中が痛々しい。というのか、お母さんは取り乱しているのでしょう、カーテンの後ろに息子がいるとは気が付かない。
あまりにも切ない光景で、思わず、もらい泣きしてしまいました。その少年が戻ってきたお母さんの横にぴったりとくっついて慰めている姿がさらに涙を誘います。妖怪ウォッチの話をして、ママの気分を紛らわそうとしているのです(妖怪ウォッチ、フランスでも大人気なんですよね)。ご家族3人が幸せだった頃を知っていただけに、やるせない気持ちになりました。
文章にするとたったこれだけの話なんですけど、実際にはこの母子はいま悲しみのど真ん中にいるわけです。離婚は夫婦の問題なので、何とも言えません。誰が悪いという話じゃない。でも、子供は板挟みですし、なぜお父さんがいなくなったのか、いまはわかりません。少しずつ少しずつわかっていき、大人になるのです。仕方ないな、と思いながら食べたからでしょうか、スパゲッティがいつになくしょっぱかった。
この子が笑える日が一日も早く来ることを祈っています。日本で連日報道される不倫のニュース。不倫をした人たちは自己責任なので罵倒されるのは当たり前なのですが、不倫ニュースを耳にした子供たちへの心の打撃を想像するといたたまれません。この辺、なんとか配慮できないものかな、と思います。周囲の大人が守ってあげるしかないのでしょうね。
さて、今日はお子さんのおやつに最適なベトナム風サンドイッチ、バインミーを一緒に作ってみましょう。子どもが大好きな魚肉ソーセージを使います。魚肉ソーセージっていったいどんな使い道があるのだろうって、ずっと考えていたのです。実はバインミーにばっちり合います。魚肉ソーセージの新しい使い道の提案です。
材料2人分:フランスパン(ふわふわした安いパンでもよい)、魚肉ソーセージ1本、大根100g、にんじん50g、きゅうり適量、ピーナッツ適量、コリアンダー適量、酢大さじ2、砂糖大さじ1、ナンプラー大さじ2分の1、塩適量、マヨネーズ適量、(お好みで)唐辛子適量。
まず、大根とにんじんを太めの千切りにし、塩をまぶして少し置いておく。次に、ボウルに酢と砂糖、ナンプラーを合わせる。そこに、水気をよく絞った大根とにんじんを加えてマリネにし、なますを作る。最後に、フランスパンの側面に切り込みを入れ、マヨネーズを塗り、薄切りにしたきゅうりと縦半分に切った魚肉ソーセージ、なます、コリアンダーの順番で挟み、上から砕いたピーナッツ、唐辛子をお好みでふりかけて完成。
マヨネーズと魚肉ソーセージってめっちゃくちゃ相性がいいんですよね。うちの子、ペロっと2本も食べてしまいました。3時のおやつに、お父さんのビールのあてに、どうぞ。
ボナペティ!
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