昨今目覚ましいキャッシュレス化への動き、このまま進むと世の中はどうなるの? いまひとつピンとこない読者世代のために、一足先に「財布を持たない暮らし」を実践している人の生活をのぞき見。あなたはこんなミニマル・ライフをどう思いますか?
「2年前、夫の海外研修に同行して、半年間、米国ワシントンD.C.で生活しました。当時から米国はキャッシュレス社会で、現金をほとんど使いませんでした。日々の買い物はクレジットカード払い。チップの支払いや割り勘もクレカで可能。そして日本でいうLINE Payなどのスマホのコード決済も普及していて、スマホとクレカがあれば現金を持ち歩かなくても困らなかったんです」
こう話すのは、ミニマリストの飯島彩香さん。こうした米国での生活をもとに、帰国後、自ら始めた最小限のモノで暮らす快適さをつづった『スマホひとつで暮らしたい』(KADOKAWA)がいま話題だ。そのなかで、本誌が注目したのが、日本でも、すでにスマホとクレカだけで、現金を使わずに暮らすことが実際に可能になっているということ。
まずは、次の“ある日の飯島さんの1日”を見てほしい。
【7:00】「スマホのアラーム」で起床
【8:30】「Spotify」で音楽を聴きながら朝食
【9:00】「radiko」でラジオを聴きながら掃除・洗濯
【10:00】犬の散歩。「歩数計アプリ」で歩数をチャック
【11:00】「ネットスーパー」で、夕食の食材を注文
【12:00】「食べログアプリ」で事前予約しておいたカフェでランチ
【14:00】かかりつけの病院へ。保険証と「診察券アプリ」を見せて受付けを済ます
【14:15】待ち時間に「楽天」のネット宅配クリーニングを注文
【14:30】「楽天24」で1カ月分の日用品をまとめ買い
【15:00】「お薬手帳アプリ」を見せて、前日病院で処方してもらった薬を調剤
【15:30】「Netflix」で映画を鑑賞
【17:00】「家計簿アプリ」で今月の出費、銀行口座の残高、クレカの引き落とし額などを確認
【18:00】ネットスーパーから届いた食材で「料理アプリ」を見ながら、夕食をつくる
【21:30】「YouTube」のヨガ動画を見ながら0円ヨガレッスン
【24:00】「カレンダーアプリ」で明日の予定を確認してから就寝
スマホにダウンロードしたさまざまなアプリやネットを活用することで、家事や余暇はこんなに充実。しかも現金をまったく使っていない。スマホの扱いに不慣れな人にとっては信じがたいが、社会はすでにそこまでIT化が進んでいるのだ。
「わが家ではクリーニングも楽天市場の詰め放題パックを使っています。家に届いた段ボールに目いっぱい詰めて工場に送るだけ。重いものを店頭に持って行く手間と時間が省けて、しかも安い。何度か使いましたが、いまのところトラブルは起きていません」(飯島さん・以下同)
まやYouTube動画もいまやヨガや英会話のレッスンから、投資アドバイスまで、探せばなんでも閲覧可能なのだとか。
「教室に通わなくても、スマホ1台あれば自宅が教室になる。ほんとうに便利です」
日用品の買い物から、日々の食料品の宅配まで、これもスマホで完結。東京などの一部エリアでは、食料品を午前中に注文すれば夕方には届くネットスーパーの宅配も充実している。もう毎日、財布を持ってスーパーに行く必要はなくなっているのだ。