10月から変更「新106万円の壁」でパートの手取りが年15万円減る人も
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■壁を飛び越えて年金を増やす選択も

 

「大切なことは、手取りが減る“働き損”が解消される“手取り回復分岐点”を知ることです。年収700万円の夫とパートの妻の世帯手取り収入で試算したところ、『106万円の壁』を超えた場合、それが解消される手取り回復分岐点は125万円。125万円以上働くと手取りは増えていきます」

 

「130万円の壁」を超えた場合の手取り回復分岐点は153万円となる。しかし、パート先が個人商店などで社会保険に入れない場合は、国民年金・国民健康保険に自分で入ることになり、手取り回復分岐点は171万円になる(いずれも深田さん試算)。

 

“働き損”を少しでも防ぐために壁の手前になるように働き方を調整するか、“手取り回復分岐点”を目指して働くかは悩ましい問題だが、深田さんは後者を推奨する。

 

「物価高は今後も続く可能性が高いので、少しでも収入を増やしていくことが重要です。また夫の扶養から外れ、自分で社会保険に入ることで給付金や手当金を受け取れるうえに、将来的に受け取る年金額が増えます。たとえば、パートで年収155万円を20年働き続けると、将来もらえる年金額が月額1万4000円増えます。老後に、月1万円の年金増は非常に大きいもの。自分の老後計画も考え、働き方を選びましょう」

 

収入アップと先をしっかり見据えて「壁超え」にチャレンジするのもありかもしれない。

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