世界初の「美肌菌バンク」が日本に登場した。これは、皮膚表面にいる「美肌菌」を採取して培養し、肌に直接、戻すというサービスだ。最大の特徴は、自分の菌そのものを増やせること。

 

「副作用の心配もなく、お肌の底力がアップする!」と、美容マニアの注目を浴び、’14年1月から一般向けのサービスを開始した。以来、申し込み殺到中なんだとか。そこで、本誌記者(35)が体験取材に行ってきた。ところで、そもそも「美肌菌」って何?

 

「皮膚には常在菌が存在し、悪玉菌と善玉菌に分かれています。その善玉菌の中でも『表皮ブドウ球菌』は、肌の表面を弱酸性に保ち、保湿成分であるグリセリンも産出するため、美容業界では『美肌菌』と呼ばれ、注目されているのです」

 

そう語るのは、株式会社バイオジェノミクス・美肌事業部の松本菜季さん。美肌菌バンクは、もともと乳酸菌などの研究を進めていた同社と、長崎国際大学とによる、産学連携プロジェクトだという。

 

「現在、美肌菌の増殖を促す化粧品はたくさん開発されていますが、自分の美肌菌そのものを培養し、お肌に戻すというのは、世界で初めての手法なんです」(松本さん・以下同)

 

年齢と美肌菌の数には、あまり関係はないという。むしろストレスや過剰な洗顔が、菌の数を減らす原因になるとのこと。菌の採取は、おでこの表面を綿棒でクルクルと拭うだけ。3分足らずで採取は終了。あとは自宅で待っていれば、菌を商品化したものが届く仕組みだ。

 

「これを培養し、その中から、形状判定で美肌菌を選抜します。さらに、さまざまなテストを行って、ほかの菌が混じっていないかを確認します」

 

美肌菌と判定されたものだけを培養し、マイナス80度で凍結保管。最後は、菌をパウダー状にして、バイアル瓶(容器)に封入する。1回の使い切りで、週に2回、寝る前に専用のローションといっしょに塗るだけと、使用方法のいたってシンプル。

 

菌の採取から、商品が完成して自宅に届くまでにかかる日数は、およそ50日間。そして、トータルのお値段はなんと、約60万円! さてその気になる効果だが、長崎国際大学が行った臨床実験では、それは明らかだったという。

 

「バイアル1本あたり、約10億個もの美肌菌が入っています。週に2回、4週間かけてこれを使用した女性13人は、使用していない女性8人と比べて、顔の美肌菌の数が10~20倍も多く検出されました。肌の保湿改善もされており、40%程度の水分量の増加が認められています」(美肌菌バンク広報担当サポートセンター・大庭裕司さん)

 

今後もますます話題を呼びそうな美肌菌バンク。あなたも自分の菌を、育てて増やしてみませんか?

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