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テント内で泊まり込むための準備をする座り込み参加者ら=8日午後8時40分、米軍北部訓練場のN1裏テント内
(写真・琉球新報社)

沖縄県東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設問題で、建設に反対する市民らが通称「N1裏」と呼ぶ場所に設置しているテントに5日以降、泊まり込みで運動に参加する人々が各地から訪れている。全国的に注目されてきた米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する運動にも参加したことがない人たちが、入れ替わりながら参加する。8日夜から9日午前にかけて現場を取材した。

 

N1裏では、警察や沖縄防衛局によるテント撤去を警戒する市民らが結集した5日以降、数日でブルーシートで屋根を作り雨風をしのげるテントが設置された。内部には縦約60メートル、横約12メートルの奥行きのある縦長な集会場が設けられている。ブロックを土台に縦長の板をいくつも並べ、200人余は座れる。テント内の棚には県内外から善意で届いたカップラーメンや缶詰などがぎっしり。水のペットボトルも所狭しと並ぶ。

 

日が落ちると発電機を使い、電灯がともされた。午後8時半ごろ、昼間は集会場のスペースを寝床に変更する作業が始まり、計20人余が寝るスペースを確保していた。女性陣は地面の上に板を敷いて平らな土台を作り、その上にキャンプ用テントを設置した上で内部にマットを敷く。大きなテント内に小さなキャンプ用テントを四つ以上は設置し、一つのテント当たりで2、3人が横になった。

 

男性陣は女性陣とは離れた位置にブロックを土台に板で平らな寝床を作り、10人余が雑魚寝した。テントの外では、農道沿い数百メートルの区間に縦列駐車している車中で寝る人も多かった。

 

就寝前、テント内にいた古川香織さん(42)=千葉県=と垣内成子さん(64)=読谷村=は初対面同士で雑談し、交流を深めていた。古川さんは「(7月22日のN1表の車両やテントを強制撤去する)映像を見た。居ても立ってもいられなくなった」と6日から泊まり込む。垣内さんは懐中電灯、寝袋、食料などを自前で持参し泊まり込む。

 

就寝スペースは午後10時ごろには消灯した。翌9日午前4時、起きてきた人ら10人余が、テーブルを囲んで紙コップに入れたコーヒー片手にヘリパッド工事の進捗(しんちょく)について話し合った。

 

輪に加わっていた豊岡英幸さん(30)=東京都=は、7月22日の強制撤去の映像を見て衝撃を受け、8月5日からN1裏に泊まる。「いつ(機動隊らが)来るんじゃないかという緊張感がある」と明かし「(今後も高江に)ぜひ飛んできたい」と強調した。

 

午前5時7分、早朝からのN1裏のテント撤去を警戒してテントの外に駐車した車中で泊まった人や朝に駆け付けた人らもテント内に集まり、一日の開始を告げる集会が始まった。(古堅一樹)

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