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沖縄でなじみの薄いシンクロナイズドスイミング。競技人口も少なく、沖縄水泳連盟などによると、県内の選手登録は小中学生4人のみ。しかし、那覇市の波之上スイミングスクールは、シンクロ選手育成を2014年から始動。成果は着実に見え始め、最近は複数の選手が九州上位の成績を残す。現在は間近に迫る福岡での大会(23日開幕)へ向け特訓中だ。沖縄から全国クラスのシンクロ選手誕生を描き、選手、監督らは日々前進する。(田吹遥子)

 

■ソロで実績

 

今年7月、全国ジュニアオリンピックカップ九州予選で、上間小学校6年の玉城結衣(11)がソロで1位と僅差の2位に食い込んだ。練習する波之上スイミングスクールの菊田和男コーチは「次は全国を狙える」と実力に太鼓判を押す。

 

玉城は「2位はうれしかった」と好成績を喜ぶ一方で「悔しい気持ちも両方感じた大会だった。次は負けないように頑張りたい」と慢心はない。

 

県内でシンクロの選手登録している4人は、玉城のほか、玉城中1年の片桐花菜(13)、垣花小5年の上原心夏(11)、南風原小5年の月岡心奈(11)。団体定数の8人には足りず、ソロとデュエットで昨年から大会に出場する。ジュニアオリンピック九州予選では玉城の2位以外にも、中学生の部で片桐が2位に入った。レベル向上は目に見えている。

 

特に玉城は、全国大会出場基準に1・2ポイント差。惜しくも全国大会出場は逃したが「振りの覚えがとてもいい。手足も長くて有利な面がたくさんある。来年は片桐とのデュエットで十分全国を狙える」(菊田コーチ)と期待値は高い。

 

■全国大会へ再出発

 

関係者によると、海邦国体当時は国体など全国大会に選手を輩出していた時期があるが、近年は途切れているという。

 

県内のシンクロの「再出発」に向けて、同スクール支配人の菊田コーチが14年に教室を立ち上げた。シンクロの元選手で沖縄に移住した宮城知子コーチは、息子が同スクールに通っている縁でコーチに。元選手の田中聡子コーチも定期的に教えている。コーチ陣はそろい、選手らは切磋琢磨(せっさたくま)し、力を伸ばす。

 

一方で、練習に必要な水深3メートルのプールがあるのは奥武山公園と那覇商業高校の2カ所。練習環境や県内での知名度の低さが課題だ。

 

優雅に見える競技だが、立ち泳ぎをしながらの演技や水の中での倒立などで体力を使うため、1回の練習で5~6キロを泳ぐなどハードメニューだ。五輪を目指すような練習では1日で数キロ体重が落ちるという。

 

すぐに結果が出る競技ではなく、継続性が重要だ。全国への壁もまだあるが、専門のコーチの熱心な指導や練習の成果が各大会で発揮できていることに、選手らもやりがいを感じている。「笑顔で一つ一つの技を完璧に表現したい。オリンピックを目指して頑張りたい」と目を輝かせ夢を語る玉城。壁の向こうの新たなステージを目指し、技術と表現力を磨く。