緊急情報表示システムのデモ。写真左のサーバーが地震の予報を受信後、サーバーとつながったパソコンやモニターなどで緊急情報が表示される仕組み。表示画面は変更可能で、パトライトや電子錠との連動、また防犯システム等との連携も可能です=エーテック社内 画像を見る

地震発生後、テレビやスマホに表示される警報。通常、気象庁のセンターから私たちのもとに届くまで数十秒~数分かかりますが、これを約1秒に短縮できる画期的な緊急情報表示システムが考案されています。浦添市のエーテック株式会社では、このシステムを利用し、熱中症予防、火災報知、防犯とも連動できるユニークなシステムを開発しました。

 

東日本大震災から10年。この1週間、あらためて、防災の大切さを意識した方も多いのではないでしょうか。

 

数十秒~数分を1秒に

 

「沖縄ではそんなに大きな地震は起きないよー」。なんとなく、そう思ってはいないでしょうか?

 

しかし、歴史書には、本島・離島を大きな地震や津波が襲ったという記録が多く残されています。例えば1771年に石垣島近海の地震により発生した「明和の大津波」では、約1万2千人もの犠牲者を出したと伝えられています。

 

「沖縄も、大地震・大津波がいつ来てもおかしくないことを認識してほしい」。エーテック株式会社の堀内彰 代表取締役社長は、力を込めて話します。

 

東日本大震災後、「沖縄で起きたら、子どもたちや家族をどう守ればいいのか」考えるようになったという堀内社長。文献を読むなどして防災の知識を深め、3年ほど前から、同社が得意とする情報通信、防犯、無線通信などの技術を組み合わせた緊急情報表示システムを構想。昨年、本格的な構築に乗り出しました。

 

エーテックが構築したシステムの特徴は、まずスピード。「一般的警報が、気象庁のセンターから約数十秒~数分かかって皆さまに伝わるのに対し、当システムは約1秒で地震情報を伝達できます」

 

約数十秒~数分が約1秒に! 驚異的なスピードです。

 

「地震検知後、気象庁が出す情報には『警報』と『予報』の2種類があります。テレビ・ラジオや携帯電話に届くのは『警報』。当システムでは、『予報』を利用しているため約1秒に短縮できるのです」

 

聞けば、「警報」では、気象庁が揺れの規模などを計算する処理を行うため、時間がかかってしまうのだそう。さらに、消防庁を経由し、放送局、衛星、基地局と情報がリレーされ、経路が複雑なのも伝達時間が長くなる要因です。

 

一方、「予報」は計算を施していない、いわば生のデータ。顧客の施設内にサーバーを設置し、生データを直接取得して独自に計算することで、即座に緊急情報を表示できるといいます。同社のシステムは、県外企業が特許を持つこのEWSという先端的な技術を取り入れました。

 

「パソコンやモニターなど、お客さまの施設内の端末全てに、緊急情報を一斉に表示できます。1000台でもできますよ。緊急情報の表示画面はお客さまとの話し合いにより変更できるのも強みです」

 

例えば自動車整備工場では車から離れるよう促したり、学校や役所等では避難先を指示したりと、迅速な行動を促す使い方ができるのだそう。

 

防犯や熱中症予防にも

 

もう1つの特徴は、要望に応じて熱中症予防や火災報知、防犯などの各種システムと組み合わせられること。

 

例えば、温度・湿度・照度を感知するセンサーを使って熱中症警戒情報を放送したり、地震を検知すると自動的に避難所の鍵を解除したり、不審者の侵入をカメラが捉えると腕時計にアラートを送ったり…など、いろいろな利用法が可能です。「EWSのシステムは県外企業でも取り扱っていますが、防犯等のシステムと組み合わせて提供しているのは、現在弊社のみです」

 

県内での導入はこれからですが、堀内社長は「当システムを使って、ぜひ地震・津波の避難訓練をしてほしい。そうすることで、助かる命が増える」と話します。

 

いざという時のために、私たちも日頃から防災の意識を持つことが大切。皆さんも、職場や家族で、防災について話し合ってみませんか?

 

エーテック株式会社
【HP】sales@a-tec.okinawa
(2021年3月18日 週刊レキオ掲載)

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