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小池百合子東京都知事(64)が「(7月の都議選で)単独過半数の獲得を目指す」という会派「都民ファーストの会」が、初の新人公認候補予定者として発表した2人の女性、女性の生きやすいライフスタイルを提案するキャリアアドバイザーの茜ヶ久保嘉代子さん(41)と、フジテレビ社員として子ども向け番組や親子イベントなどを企画・プロデュースしてきた入江伸子さん(54)は、ともに“働くママ”。

 

「お見かけしたことはあるけれど、お話しするのは初めて」という2人が、子育てしながら仕事をしていく苦労、そして実現させたい政策について語り合った−−。

 

茜ヶ久保「私は、いま小学生になった長女の、保育園時代には苦労しました。0歳で保育園に預けて職場復帰したんですが、保育園は熱が37度5分以上あると預かってくれません。すると仕事に行けなくなってしまう」

 

入江「私も上の子が小学生のときには仕事に復帰していましたので、『心が痛いなあ』と思う経験をしました。あるとき小学校の運動会に行ったら、息子から『今日は来てくれてありがとう』と言われちゃったんです。『あっ』と反省したんですけどね。子どもに迷惑をかけちゃいけないのになあ、と。だから私は、夫婦で、その時々で、可能なほうが子どもと向き合うのがいいと思うんです。『パパは仕事が大変だけど、ママもキャリアを積みたいし……』と言うと、子どもから見れば、『なんで親のことで割を食うの?』となる。子どもは親を選べないですよね。私の子にしてみれば、小さいときにお父さんが死んじゃって、母親は仕事に出ていてっていう……。子どもは子どもなりに、悩みもあるなかで頑張って、一生懸命生きているのにね」

 

茜ヶ久保「そうなんですよね。ただ、別の視点で考えれば、私は母親−−女性が意識を変えることも重要だと思います。というのは、子育てしながら仕事をするには、どうしても経済的な矛盾が生じます。保育園や施設に預けるには、けっこうなお金がかかる。その出費のうえで、時給800円の収入となると、赤字になってしまうこともある。それであきらめてしまって、『仕事は収入の多い夫に任せよう』と、みんながみんな、なってしまってはダメなんです。私は、子育てしながら仕事をしていくなかで、『どうしよう、お金がなくなっちゃう』と困り果てたときに、母親に『それでもいいから仕事をしなさい』と言ってもらったのが大きかった。母もずっと仕事をしてきた人でしたから。でも、お金の問題は誰にも相談しにくいものですので、解決策は行政システムとして確立していかなければいけないですよね」

 

入江「その働くママのための行政システム確立のために、“欠かせない存在”になってくるのが、私と同じか、上の世代の女性だと思います。私が学生のころは、女性は“クリスマスケーキ”にたとえていわれた。『24歳までにお嫁にいくのがいい』という意味です。じつは、そうして専業主婦として過ごしてきて、子育てを終えてしまった世代に、『社会貢献したい』という人が、いま多いんです。そういう方には、子育て支援などで活躍の場があります。親の代行で子どもを送り迎えしてくれる人がいれば助かります。そういった社会貢献できる手段を、ボランティアだけで終わらせず、なんらかのペイをできないか−−。行政システムとして、子育てに協力したらポイントがつく、ポイントカードを作ったらいいと思うんだけど……」

 

2人の話に共通するのは、女性が権利だけ求めてはダメで、努力もしなければならないのだということ。それは既成政党のオッサン議員のように、選挙になると急に、「いいことずくめ」のあめをばらまくのとは違う主張だ。女性として、母として、いろんな人の手を借り、助言を得たうえで、苦労して過ごしてきたことからこそ得られた結論ではないだろうか−−。

 

茜ヶ久保「コンサルティングのビジネスをしていくなかで思ったのは、男性社会のなかで、女性が男性に合わせていくスタイルは、もう限界だということ。だったら政治の世界で女性の力を集結させて進めていくほうが、影響力はあるし希望が持てると思った。そうして『希望の塾』に参加しているうちに、どんどんボルテージが上がっていきました。都民ファーストの会を起爆剤にして、女性も男性も内側から、はつらつとしたエネルギーが出せるシステムを作りたい」

 

入江「都知事から『大変なことがたくさんあるけれど、頑張りましょうね』という言葉をいただきました。心を強く持って突き進まないと折れてしまうけれど、女性のみなさんが立ち上がるのは、いましかないと思うんです」

 

そんな“女性目線”を大事にする小池新党の女性候補者たち。今後もその言動に注目していっても、損はないのかもしれない。

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