治療費の“窓口負担”も減らせる 頼りたい医療費補助の公的制度
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■高額療養費制度の限度額適用認定証

 

〈請求先〉ご自身が加入している、健康保険組合、協会けんぽ、市区町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度の窓口)など

 

「高額療養費制度が適用されると、医療費はかなり支払いの額が下がるとはいえ、いったん窓口で1〜3割を支払うことさえ家計にとって厳しいという悩みはよくあります。その場合、あらかじめ健康保険組合などに申請し、『認定証』を出してもらえば、限度額以上は負担しなくてよい、という制度です」

 

■高額医療費貸付制度

 

〈請求先〉ご自身が加入している、健康保険組合、協会けんぽ、市区町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度の窓口)など

 

「高額療養費の払い戻しを受けるには、診療月から3カ月程度の時間がかかります。そのため医療費の支払いに困ってしまい、キャッシングや民間ローンを利用した方もいました。そんなときに金利の高い民間ローンなどに手を出さず、無利子で借りられるこの制度を利用しましょう」

 

■医療費控除

 

〈請求先〉各自治体の税務署

 

「セカンドオピニオンの費用や、医師による『装具使用証明書』のある人工肛門用装具、通院のためにかかる電車やバス代などの交通費など、がん治療のうえで必要な保険のきかない費用もあります」

 

医療費控除は、そういった負担も含め、年間の医療費が10万円を超えた場合、オーバー分が(所得税率に応じて)還付される制度だ。通院する病院が複数ある人、あるいは世帯で複数通院する人がいるならこれもすべて合算し、医療費を軽減することができる。

 

「医療費控除は5年間遡って還付が受けられます。体調がすぐれないときは無理をせず、レシートを大切に保管しておきましょう」

 

■ひとり親家庭等医療費助成制度

 

〈請求先〉各自治体

 

「がんになったシングルマザーや、夫をがんで亡くした、子を持つ妻などが申請することができます。あまり知られていない制度ですが、該当すればかなり助かります」

 

自治体によって細かいことは異なるので窓口で聞いてみること。適用されるのはお子さんが18歳までなので要注意だ。

 

そのほかにも、「障害年金」「生活福祉資金貸付制度」「傷病手当金」「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」「医療用ウィッグや乳房補整下着などの助成」などの制度がある。

 

制度を知っていると、さまざまな道が開けてくる。がん治療でつらいときもあると思うが、合間に手続きをして、お金の悩みから解放されよう。きっとがんにも効果があるに違いない。

 

「女性自身」2021年4月27日号 掲載

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