全国で進む公立病院の独法化…いち早く進めた大阪では医療崩壊
画像を見る 都議会でも都立病院の“民営化”が審議されている

 

■病床を減らすと100万円超の補助金が

 

こうした悪例にもかかわらず、公立病院の独法化や統廃合が進められてきた。その背景には、「政府が進める“医療費抑制策”がある」と、前出の本田さんは指摘する。

 

「厚労省は今後、人口が減っていくという前提で、’25年までに全国の病床を16万〜20万床削減する目標を立てています。公立病院の独法化や、統廃合もその流れのひとつ。しかし、もともと日本はG7でいちばん医師数が少ないうえに、公立病院が全体の2割とイギリスの8割やドイツの5割と比べ極端に少ない。これ以上減らしたら、国民の命は守れません」

 

今年2月にも、青森県で県立中央病院と青森市民病院が統合。宮城県でも、公立病院の統廃合などの計画が進行中だという。

 

「’20年度だけでも全国で約3,000床が削減されました。1床削減すると約100万〜200万円の補助金が病院に支給されることになっていて、この財源には、社会保障の充実に使われるはずの消費税が充てられているんです。多くの市民がこうした流れを知らずにいます」(本田さん)

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