「通説では退職までに貯めておかねばならないお金は3,000万円といわれていますから、その3倍以上に当たる1億円を貯めることは厳しい道のりだと思います。しかし、信念を持ってライフスタイル転換ができれば、今から貯めることも決して不可能な数字ではありません」

 

そう語るのは数千件の家計相談に乗ってきた生活経済コンサルタントの北見久美子さん。コツコツ節約に励み、アベノミクスを追い風にした運用術を駆使しても、やはり1億円を貯めるには意志の強さが大切という。北見さんが言う1億円を貯める技術がこれだ!

 

〈哲学を持つ〉「人はお金を持つとその重みに耐えられなくなり、消費に走ってしまうもの。まとまったお金を持っている人ほどつい危ない投資に手を出してしまったりも。1億円達成を阻む落とし穴は自分で招いてしまうのです」

 

意思を持つこと。お金にとらわれない夢の老後を手に入れるため哲学を持って貯めに徹することが大切。「それには家計簿をきちんとつけていくことが基本。これは20代から心がけておくべきです」

 

〈マイホームの夢を見直す〉生涯住むのか、老後はどんな生活をしたいのかを考えて、本当に必要なのかを見極める時代になっていると北見さん。「それでも購入するのなら、身の丈にあった物件を選ぶこと。収入に対して高すぎるローンの負担は貯蓄まで回らなくなってしまいます」

 

〈”教育のレール”に乗らない〉「教育費がかなりのウエートを占めてしまっていている家計は多くあります。大学に入ってもダブルスクールに、大学院に、留学といつまでたっても大きな出費が襲いかかってくることが最近は珍しくない。この教育のレールに乗ってしまうと1億円達成はまず不可能になります」

 

〈ローンを組まない〉「常にマイカーローンやフリーローンを抱えているご家庭がありますが、典型的に貯まらない家計といえます」買うのなら現金主義で、と北見さん。

 

〈妻も働き世帯収入を増やすこと〉「貯蓄がないご家庭でも奥さんが働くことで、40代からでもかなり大きな逆転が狙えます。夫の収入をやりくりする習慣のまま妻の年収を貯蓄に回せば、仮に年収200万円くらい働くと10年で2000万円以上。それを20年も続けると、かなり逆転の可能性が出てきます。ただ夫の協力は不可欠です」

 

かつてスキルを持って働いていた人なら復帰はスムーズ。何もスキルがない人は、最初はパートでも努力すれば徐々に責任ある仕事を任され、正社員に昇格できるケースもふえているという。

 

「フルタイムの仕事に復帰することができれば、1億円への道も近づいてくるかもしれません」

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