「わが子を英語ができる国際人に!」という思いは、親なら誰もが抱くもの。巷には、数々の英語教材が溢れている。では、子供に英語を身につけさせるには、何をどう学習に取り入れるのがいいのか? 児童英語研究所所長の船津洋さんに話を聞いた。
船津さんによれば、日本人が英語を苦手とする理由は2つある。1つ目は、英語の「音」が聞き取れないこと。たとえば「I’m in on it.(私もやるよ)」が「アイミノニッ」のように、ひとかたまりで聞こえてしまう。これを単語に分解して捉えられないため、意味が理解できないのだ。
「英語の発音は、日本語とまったく違います。ローマ字読みを英語の発音と同じと思い込んでしまう子も多いです。英語教室に通うなら、『フォニックス』という、英語の正しい発音学習法を教えているところを選びましょう」(船津さん・以下同)
そして2つ目の理由は、英語を日本語に訳して覚えようとしてしまうこと。英語の日常会話では「see」「take」など基本的な単語が頻繁に登場するが、これらは多くの意味を持っている。「see」なら、「見る」「会う」「理解する」など数十の意味があるので、その日本語訳を覚えていたら、キリがない。
「『see』なら『情報が目を通して頭に入ってくる』といった具合に、共通するイメージで覚えればいいんです。そうすることで、適切な意味を推測できます」
イメージで単語を捉えるには、小学4年生までは日常会話や文章をたくさん聞くのが重要とのこと。5年生以降に始める場合は、聞くだけでは不十分なので、読むことが大切だ。CDなどの通信講座は、身近なテーマの会話が入ったものを選ぶほうがいい。
「ママとの会話、トイレの話などです。おとぎ話のような日常から離れた内容では、なかなか身につきません。5年生以上で英語教室に通うなら、本を読ませてくれるところを選びましょう」
テレビ、ラジオ番組では日本語が多く使われ、つい日本語に訳す癖がついてしまうため、船津さんはおすすめしないという。
「ただ、番組を通じて英語に興味を持たせる、という目的はあると思います。ときどき見せるような使い方ならいいでしょう」
うまく使い分ければ、わが子がバイリンガルに育つのも夢じゃない!?