「就職を勝ち抜ける学生はナンパがうまいはずです。企業の面接官を短時間で魅了する力があるわけですから」
そう語るのは、国内にある四年制大学778校すべてを見学してきた、大学ジャーナリスト・山内太地さん。12月1日、’13年度入社新卒の「就活」が解禁。しかし、大卒者の就職率は61.6%と学生側にとって未だ厳しい状況が続いている。
だが、それは企業側が今の学生に「コミュニケーション力」不足を感じ、招いた結果だと山内さんは考える。
「学生と企業間には、社会に出て必要と考える能力について、大きな食い違いがあるようです。たとえば就活必須のコミュニケーション能力。苦手な人や、年配者ともコミュニケーションできる力を企業は求めるのに対し、学生は気の合う人と仲よくする力をコミュニケーション力だと勘違いしているんです」
このギャップをよく理解し、埋める努力をしなければ就職は難しいと、山内さんは学生の意識の低さを嘆く。
「現在、学内引きこもりともいうべき『友達・恋人を作らない』『サークルに入らない』『アルバイトをしない』『ゼミに入らない』といった、“4ない大学生”が急増しています。
誰とも話さず、コミュニケーション能力も協調性も身につけていない学生は、たとえ偏差値が高い大学を卒業しても、おそらく就職は出来ないでしょう」