「給料は上がらないのに、物価は高騰、消費税がまた上がるのかという昨今、私は『おうたように絵描かなしゃあないやん』と感じています。その時々に応じて臨機応変にやっていくしかないという大阪弁ですが、私たちおばちゃんは時代に合った絵の描き方、生き抜く知恵を持っています」

 

そう話すのは、「全日本おばちゃん党」代表代行で大阪国際大学准教授の谷口真由美さん(39)。安倍政権の経済政策「アベノミクス」が行き詰まっている。円安による食料品などの高騰や、消費税以外にも負担増が相次ぎ、庶民の生活は厳しさを増している。将来に備え自分の身は自分で守るしかない。

 

そこで、谷口さんが注目したのがおばちゃんたちの知恵だ。家計を考えると厳しい状況だが、結局どこを削るかに尽きる。生活実感のあるおばちゃんは、削るべきところ、削ってはいけないところを間違えないと谷口さんは語る。

 

「大好きなヒョウ柄の洋服を、月に4枚買うのをやめて3枚にしたり、友達とのランチ1千円を、材料費500円の持ち寄りパーティにしたり、500円玉貯金は100円玉に変えて続けていくでしょう。おばちゃんたちの知恵を結集すれば、経済の荒波は乗り切れます。それほどおばちゃんたちは強いのです」

 

政治への疑問や不満を全国のおばちゃんたちが熱く語れば、最初は小さな声でも、やがて世論として大きな力を持つのでは?と谷口さんは語る。

 

「専門家しか理解できない難解な資料ではなく、家計簿のようなわかりやすい表にして、説明してください。表が理解できれば、おばちゃんは小姑根性で細かくチェックし、問題点を指摘します。不正を発見できるかもしれません」

 

今、国会には3世議員が多く、おばちゃんのような生活実感を持たない方が大半を占めている。

 

「議員を選んでいるのは私たちです。私たちは次の世代のために声を上げましょう。本当の意味で、貧しい人、弱い人を守れる政治に、台所から変えていきましょう。生活実感のあるおばちゃんが声をあげることこそ、生活者が暮らしやすい世の中をつくる近道です」

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