明石の泉市長がこども家庭庁に苦言「お金を使ってちゃんとするべき」
画像を見る 実は当初、こども庁に対して賛成の立場をとっていた泉市長

 

■積極的な子育て支援に2つの理由

 

現在、12年目の泉市長。なぜ、こども支援にフォーカスしてきたのだろうか。そう尋ねると、泉市長は「理由は2つある」と明かす。

 

「一つ目は、“子供はすべからく支援対象であるから”です。子供が1人で社会を生き抜くことはできません。どうしたって支援が必要なんです。

 

それに親が子育てをしっかりやるとは限りません。何らかの理由で途中から、子供を大事に思うことができなくなる人だっています。なので、子供の貧困や虐待死があるわけです。人間は悲しい生き物ですからね。『子供を社会のみんなで支えていく』というのが私の大きなテーマです」

 

そして、二つ目の理由は「子供は日本の未来だから」と話す。

 

「子供の数が増え、無事に育っていくというのは日本の未来にも繋がります。いま現役の人だって、必ず世代交代しますからね。老いた時に支えてくれるのは、今の子供たちですよ。それなのに日本は子供に冷たい。私は大学時代、教育哲学を専攻していました。『子供に冷たい社会に未来はない』と論文に書きましたが、悲しいことに、その冷たさは加速しているように感じます」

 

日本全体の問題を解決するための道のりは長い。しかし、「市長ならひとまず、明石の街を変えることはできる」という。

 

「市民の皆さんから預かった税金で施策を行うことで、街のみんなで子供を支援する。すると子供だけでなくて、街のみんなもハッピーになるんです。

 

俗っぽい言い方になりますが、地域経済も回りますからね。今の子育て世帯は大体が共働きです。家を買えばローンを組むことになり、自ずと住み着いてくれます。すると、夫婦の両方で市民税が増えます。

 

人気が高まると地価も上がる。建設業界の利益も上がって、法人市民税も上がる。『子供施策をやったら何かと得でっせ。国も自治体もちゃんとしなさいよ』と思います」

 

泉市長は「明石市では子育てにかかる経済的な負担を軽減したことで、人口増加と出生率の上昇に繋がっています」といい、「国の少子高齢化対策は本気じゃない」と主張する。

 

「子育てをしている層がどんどん貧しくなっているんですよ。収入が増えていないのに、負担ばかり増えているから。以前に比べると、子供に使える家庭内のお金が減っているということです。それでも、本気で変えようという意思が国から伝わってこないんですね。『そんなんで国民が子供なんて産めるかいな』って思いますよ」

 

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出典元:

WEB女性自身

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