女医50人が出した「いいかかりつけ医の見つけ方」の答えとは

「女性は40歳をすぎると、体のあちこちに不調が出やすくなります。しかし、いざ受診するとなると、何科に行けばいいのか迷う人も少なくありません。大きな病院をいくつも回って検査を受けたけど、原因がわからず不調も治らない。悩みに悩んだ結果、うちに駆け込んでくる患者さんもいます」

 

そう話すのは、ローズペインクリニック(愛媛県松山市)の院長、亀井倫子先生。このような経験をしたことのある読者の方も、少なからずいるだろう。こうした事態に陥らないために、持っておきたいのが信頼できる“かかりつけ医”だ。

 

かかりつけ医とは、予防も含めてふだんから体の不調について、なんでも相談できる医師のこと。

 

そこで本誌は、女医50人にアンケートを実施。いいかかりつけ医の見つけるのに重視すべきことを聞いた。アンケートの結果は次のとおり。

 

□「治療がうまくいかないとき、患者の訴えを否定しない」12人
□「人脈が広くセカンドオピニオンを拒まない」12人
□「問診のとき、パソコンではなく患者の目を見て話を聞いてくれる」9人
□「定期的に専門外の学会にも出ている」8人
□「患者が希望する薬を出してくれる」2人
□「大学病院の勤務経験がある」2人

 

【その他】
□傾聴ができる。患者の話をじっくりと聞ける余裕がある先生。
□ひとつの病気だけではなく心身の状態を相談できる。
□患者が納得できるまで説明をしてくれる。
□思ったことを口に出せる、友人のように話をできるかどうか。
□その医師の専門である科を受診する(専門ではない科を標榜している場合も)。

 

12人が挙げた“治療がうまくいかないときに、患者の訴えを否定しない”という回答などが上位に選ばれた。どれも、患者の気持ちや希望に寄り添うのが、いいかかりつけ医の要件だという。亀井先生は、こう指摘する。

 

「かかりつけ医を選ぶときにいちばん大切なのは、友人と話をするように気兼ねなく話ができる医師かどうか。医師との相性もあるので、話しやすい医師を選びましょう。過度なストレスからくる不調の場合は、医師がじっくり患者の話に耳を傾けるだけで、痛みが緩和されることもあります」

 

また、自身が好酸球性多発血管炎性肉芽腫症という難病認定されている病を患った経験がある、みやさきクリニック(兵庫県尼崎市)の副院長、宮嵜美津穂先生はこう語る。

 

「最初に診断をつけてもらった病院には1年ほど通ったのですが、治療方針の決定に時間がかかり、変更も多かったです。また、症状がさらに悪化したときも、なぜかと質問しましたが、以前の治療を否定され、それ以外の説明はありませんでした。そのうち質問しにくくなり、治療に対し不信感を持つようになってしまいました」

 

宮嵜先生は、結局病院を変えたという。

 

「かかりつけ医を決めるうえで大切なことは、患者さんの話をしっかり聞いてくれることだと思います。今診ていただいている先生はよく話を聞いてくださいます。診察の時、自分の病気について気になることや、その他の不調についてまで質問します。先生は私が納得するまで治療方針などを話してくださいます。同じ医師として見習うべき先生だと思います」(宮嵜先生)

 

医師が総合的に診察できるようになるためには、相応の努力が日常から必要になる。

 

「定期的に専門外の学会にも出ている」のがいいかかりつけ医の条件だと答えた女医が8人いた。亀井先生はこう語る。

 

「私は痛みを診る医者ですが、泌尿器科の薬の勉強会や循環器や便秘の勉強会など、学ぼうと思えばほかの専門医の先生と話もできます。そういう会に積極的に参加している先生方は、総合的に診ることができています」

 

医師がどのような会に出席しているかはわかりづらいが、その医師のSNSなどをチェックしてみてほしいという。

 

かかりつけ医がいても病気を見落としてしまう可能性は、ゼロではない。最後に「病気を見逃さないための、かかりつけ医との付き合い方」を、女性クリニックWe! TOYAMA(富山県富山市)の医師、濱田えりか先生に聞いた。

 

「40歳過ぎは自分の弱いところがわかってくる世代。弱いところに強い医師をかかりつけ医にしましょう。たとえば消化器と婦人科系が弱いということなら、その専門の医師2人をかかりつけ医に。総合的に診るのがかかりつけ医ですが、より効果的な医療を求めるならかかりつけ医は複数あっていいと思います」

 

医師への“アピール”も重要になる。

 

「診察時、最初に何がいちばん困っているかを医師に伝えてください。薬の副作用があるなどストレートに伝えたほうがいい。遠慮をする患者が多いのですが、医師からしたらはっきり言ってくれたほうが診断しやすい」(濱田先生)

 

治療の結果がおかしいなと思ったら「先生、これ治らないけど大丈夫でしょうか」と率直に聞くことが病気を手遅れにしない秘訣。

 

「家族で同じ先生に診てもらうのもいいでしょう。親子で片頭痛やアレルギー体質があるとか。家族性のある疾患が見つかりやすかったりします」(亀井先生)

 

いいかかりつけ医が見つかったら良好な関係を築いて、病気の悪化を防ごう。