気分の落ち込みや不安感が特徴だという「夏季うつ」(写真:PIXTA) 画像を見る

残暑厳しい日が続き、夏風邪や夏バテなど体調不良が起きやすい。加えて、なんだかやる気が出ない、気分が落ち込むといった症状も見られたら、それはもしかして“夏季うつ”かもしれない。

 

「夏季うつとは、季節性感情障害の一種で、不眠、倦怠感、だるさ、食欲不振など、夏バテに似た症状が現れます。しかし、夏バテが食欲不振や睡眠不足による体力低下だけなのに対し、夏季うつは外出がおっくうになる、不安感を伴うなど、メンタルにもその兆候が現れるという特徴があります」

 

こう話すのは、精神科医でゆうメンタルクリニック総院長のゆうきゆう先生だ。

 

■気分の落ち込みや不安感が特徴の「夏季うつ」

 

季節性感情障害とは、病気の発症時期に季節性があり、特に思い当たるストレスの原因がないのに、暑い季節、または寒い季節になると落ち込みやすくなったり、うつ状態を繰り返すというもの。

 

たとえば、日照時間が短く、気温も下がる寒い季節になると、食べすぎ、寝すぎ、体重増加といった身体的な変化が現れ、意欲低下、倦怠感も伴う“冬季うつ”があるが、これは副交感神経が優位になりすぎて、自律神経が乱れることで起こると考えられている。

 

一方、夏の場合は日照時間が長く、気温が上がることで、私たちの体は自然と交感神経が活発になるが、それが過剰になることで自律神経が乱れて、夏季うつにつながる。

 

「“季節性”と呼ばれるだけあって、毎年その季節になると現れたり、体調が気候に影響を受けるといった特徴が見受けられます。夏季うつは女性に多く出る傾向がありますが、それはもともとうつ病患者に女性が多いことから、夏季うつも同様なようです。仕事や家事など、女性は男性より負担が大きいことが多く、暑いときに休んだり手を抜いたりしないでいると、過緊張状態が続き、自律神経のバランスを崩してしまうケースが少なくありません」(ゆうき先生・以下同)

 

女性は30代以降、うつになる人が急増する。それだけに、単なる夏バテと軽く考えずに、精神的な異変を感じたら、夏季うつを疑ってみる必要があるかもしれない。

 

まずは、次のチェックリストで確認してみよう。どれも日々の生活の中で起こりうる。

 

【「夏季うつ」チェックリスト】

□ 食欲がなくなった
□ 不眠など睡眠障害がある
□ 以前は楽しいと感じていたことが楽しくなくなった
□ 仕事や勉強のやる気がなくなった
□ 特に思い当たるストレスや理由がないのに、毎年、暑い時季になると不調になる
□ 急に体重が減った
□ だるさ、倦怠感が激しい
□ 感情の起伏が激しい
□ 洗顔、歯磨き、入浴など生活全般の動作をするのが面倒だ

 

3つ以上該当すると「夏季うつ」の可能性あり。

 

次ページ >「夏季うつ」にならないためにできること

【関連画像】

関連カテゴリー: