災害コンサルタントが分析する「ゲリラ雷雨”要警戒”全国MAP」
つくば市で竜巻が発生した5月6日、東日本の広範囲で雷を伴った激しい大雨が各地を襲い、被害が相次いだ。梅雨に入り本格的な夏を迎えるこれからの時期、もっとも警戒すべきは”ゲリラ雷雨”だろう。災害危機コンサルタントの堀越謙一さんは言う。
「とくに市街地では雨が一気に河川や下水管に流れ込み、床上浸水などの住宅被害が起きやすい。丘陵地では地滑り、崖崩れを発生させるので災害の危険性が高いのです」
そこで地理的条件、ハザードマップ、過去の災害被害データなどを徹底検証・分析し、ゲリラ豪雨で災害が起こる危険度の高い、全国の”要警戒”エリアを堀越さんに絞り込んでもらった。
●宮城県北部沿岸周辺(石巻市、気仙沼市、女川町など)
「昨年の台風15号で記録的な大雨に襲われ甚大な被害が発生した。これらの市街地は河川により造られた平地で、河川の氾濫による被害が懸念される」
●栃木県南西部(足利市など)
「足利市には444の土砂災害警戒区域の指定箇所があり、災害リスクは高い。過去にも集中豪雨や台風で渡良瀬川の堤防決壊や床上浸水などの被害に見舞われている」
●東京23区北西部~埼玉県南部(東京都→板橋区、練馬区、中野区、杉並区 埼玉県→熊谷市、所沢市など)
「1時間に70ミリ以上の豪雨が多発するのは、神田川や石神井川の上流部の中野区や練馬区の北西部に集中している。熊谷市内では15カ所が急傾斜地崩壊の特別警戒区域に指定されている」
●神奈川県南東部(横浜市、海老名市、平塚市など)
「神奈川県は崖崩れが圧倒的に多い。横浜市には1445もの急傾斜地崩壊危険箇所が指定されていることから、災害の危険率が高いといえる」
●愛知県北西部~岐阜県南部(愛知県→名古屋市、瀬戸市、長久手市、豊田市 岐阜県→多治見市など)
「名古屋市は低地、谷地が多く、河川による氾濫を繰り返して地形が形成された地域。都市化による洪水被害が想定される」
●大阪府北部~奈良県北部(大阪府→大阪市、東大阪市、枚方市、高槻市、羽曳野市 奈良県→生駒市など)
「大阪も多くの河川・支流が氾濫を繰り返し形成された大阪平野に位置する。低地も多い。昨年、大阪市中央区では1時間あたり77.5ミリの猛烈な雨を観測。床上床下浸水などの被害が発生している」
●福岡県北部(太宰府市、福岡市など)
「福岡県の内陸部は山岳地帯に囲まれており、年間降雨量も多い。福岡市は近年、集中豪雨が増加しているので土砂災害、洪水には警戒すべき」