老々“相続”で揉めない秘訣 高齢の相続人が認知症の場合は?
画像を見る 遺言書のサンプル

 

遺言書サンプルは、図のとおり(画像参照)。

 

「必ず手書きが原則で(財産目録はPC打ちが可。ただし署名などが必要)、誰に何を相続させるかを書いていきます。この場合、介護などで長年お世話をしてくれた子の取り分を多くするなども指定できます。できれば、なぜその配分なのかといった思いを記してもいい。相続人たちを納得させる材料にはなると思います」

 

大切なのは、相続人が確実に発見できるようにしておくこと。発見できなければ遺言者の意思は実現されない。

 

「司法書士や行政書士といった専門家に託しておくと安心ですし、法務省の遺言書保管制度を利用するという手もあります」

 

また、遺言書の用意以外にもやっておくと安心なことを、次のリストで確認しておこう。

 

【もめない老々相続のためにやっておくと安心!】

〈1〉遺言書を作成しておく
〈2〉相続人の間でコミュニケーションをとっておく
〈3〉不動産、株などの財産を極力洗い出し、保管場所を把握しておく
〈4〉借金などの負債を把握しておく
〈5〉銀行口座は2行ほどに絞る
〈6〉ペットの行き先を決めておく
〈7〉デジタル製品のパスワードなど、万一のときにはわかるようにエンディングノートなどに記しておく

 

そして最後に、もっとも大事なことは日ごろの交流である、と塩崎先生は言い切る。

 

「相続が起きて、初めて相続人間で連絡をとり行方不明や認知症の人を把握するのではなく、日ごろからつながりを持つことが老々相続のトラブル回避になるでしょう」

 

【PROFILE】

塩崎由花里

行政書士、塩崎由花里事務所代表。女性とシニアに向けて手続き業務を行う傍ら、メディア出演、セミナーなどで活躍

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